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※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、総理、男女共同参画担当大臣、杉田水脈衆院議員及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:146KB]

【声明】杉田水脈衆院議員の暴言に抗議し議員辞職を求める

2020年10月9日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 自民党の杉田水脈衆院議員は9月25日に自民党内の会合で、女性への暴力や性犯罪に関し「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言した。性暴力被害者と女性を侮辱する許されない暴言である。発言に対し厳重に抗議するとともに、杉田氏の議員辞職を求める。

 杉田氏の発言は、性暴力被害にあい、勇気を出して告発した女性たちを、再び追い詰め、沈黙を強いるもので、セカンドレイプと言える。
 日本では、性暴力の告発は多大な犠牲を伴うのが現状であり、このことが、性暴力被害を温存させるという悪循環をもたらしている。性暴力の被害者は、告発内容を信用されず、心ない言葉を浴びせられ、社会的なバッシングにもしばしばさらされる。司法判断においてすら、被害者の身体的・精神的苦痛は充分に考慮されていない。そのため、心身ともに傷ついた被害者らは、告発をあきらめ、泣き寝入りすることも多い。現に政府の調査では、異性に無理やり性交等された経験のある女性の約6割はどこにも相談できていないとの結果である。
 こうした現状を顧みず、女性蔑視と偏見に基づく発言をする杉田氏は、国会議員としての資質を欠くと言わざるを得ない。

 杉田氏は自身のブログで、「女性を蔑視する意図はまったくない」「女性のみが嘘をつくかのような印象を与えご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます」としている。しかしこれは、自身の「意図」とは異なるメッセージを受け取った人が勝手に「不快な思い」をしたと言わんばかりの表現であり謝罪とは言えない。また、発言の撤回もしていない。

 杉田氏はこれまで、LGBTsには「生産性がない」と雑誌に寄稿する、選択的夫婦別姓導入を求めた野党議員の質問に「だったら結婚しなくていい」と野次を飛ばすなど、人権侵害の言動を繰り返してきた。しかし自民党はこうした言動に対して形ばかりの「指導」しかしていない。杉田氏の言動を容認し、比例代表として当選させた自民党にも同様の女性蔑視と偏見があると言え、その責任も厳しく問われるべきである。

 私たちは命と健康を守ることを使命とする医師・歯科医師として、性暴力被害者を貶めるいかなる動きも許さず、杉田氏の議員辞職を要求する。

以上

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