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※全国保険医団体連合会では、下記の理事会声明を発表し、総理、男女共同参画担当大臣、杉田水脈衆院議員及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:249KB]

【理事会声明】初診からのオンライン診療の恒久化に反対する

2020年10月11日
全国保険医団体連合会
第9回理事会

 

 菅義偉首相は9月16日の首相就任記者会見において、新型コロナウイルス感染症拡大により初診が解禁されているオンライン診療について恒久化を目指す方針を表明した。首相の指示を受けて、田村厚生労働大臣は10月9日の閣議後記者会見において、河野規制改革担当大臣、平井デジタル改革担当大臣と会談し、新型コロナウイルスの感染症の収束後も、オンライン診療について「安全性、信頼性をベースに、初診を含め原則解禁する」ことで合意したことを明らかにした。電話による診療は対象外とし、映像を原則とした上で、具体的な制度設計や運用方法は厚労省のオンライン診療指針見直し検討会で詰める見通しなどと報道されている。

 新型コロナウイルス感染症拡大の下、受診機会を保障するため緊急避難的な措置として、初診からのオンライン診療・電話診療が4月より時限的な特例として認められている。しかし、そもそも対面診療と比べ取得できる診療情報が大幅に限定されるオンライン診療を初診の患者から行うことは、疾患の見落とし、見誤りなど誤診の可能性や、重症化の見落としリスクが高まることなどは明らかである。患者のなりすましも懸念される。初診からのオンライン診療の恒久化は到底認められるものではない。
 現に、特例下における初診でのオンライン診療等の実績報告(4〜6月)において、当初より危惧されていたように、処方薬剤や日数制限などのルールが遵守されていないケースや、重篤疾患の可能性のある症状に対する受診勧奨が少ない、遠方地の患者を診療しているなど不適切な事例が散見されている。

 他方、新型コロナウイルス感染症拡大などが続く中、受診機会を保障することは必要である。オンライン診療等の特例については、当初の方針に従い、定期的(原則3カ月ごと)に検証を行い、継続の可否等が判断されるべきであるとともに、医療従事者や医療専門家が集う厚労省のオンライン診療指針見直し検討会が示す判断が尊重されるべきである。政府、規制改革推進会議やIT業界などが強調する「デジタル化」促進や「患者の利便性」などによって、医療安全の確保が後景に追いやられ、特例がなし崩し的に継続されたり、更に要件が緩和されるようなことは問題である。当然、新型コロナウイルス感染状況が終息に至った段階では、通常のオンライン診療等の取り扱いに戻すべきである。

以上

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