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※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、総理及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:97KB]

【声明】日本学術会議への人事介入に抗議し、
推薦者全員の任命を要求する

2020年10月14日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議からの新会員105人の推薦に対し、6人を理由も明らかにしないまま任命拒否した。そもそも日本学術会議は、第二次世界大戦に科学が協力したことの反省の上に、「独立して職務を行う」(日本学術会議法第3条)と規定している。だからこそ、1983年に投票による公選制から今日の任命制に変更された際も「政府が行うのは形式的任命にすぎない」(中曽根康弘首相=当時の国会答弁)とされてきた。今回の任命拒否は、日本学術会議の独立性を侵し学問の自由に対する介入・干渉という前代未聞の憲法違反の違法行為といわざるを得ない。

 その後、菅総理は「99人の名簿しか見ていない」と発言しているが、それが事実であれば、今回の学術会議会員の任命は、推薦に基づかない任命となり、「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とした日本学術会議法第7条第2項に明らかに反する法律違反である。菅総理に代わって6人を除いたのが誰であれ、任命権のない者に任命を委ねて、見ていないと開き直る菅総理の責任は重大である。

 また、任命しない理由がまったく明らかにされていないことも大きな問題である。本人の政治的発言や行動により、任命を拒否したのであれば、任命権を盾に、日本学術会議を政権の意のままになる機関へ変質させることを企図したものとして看過できるものではない。

 菅総理は、日本学術会議の経費に国費が使われていることを人事介入の根拠にしているが、国費とは国民が拠出した税金であって、内閣の自由にできるものではない。国民は、政府の政策のチェック機能としての学者・研究者の役割に期待し、学問の自由が尊重される社会をこそ望んでいる。

 私たちは、医療に携わる科学者として、今回の菅政権による日本学術会議への人事介入に抗議し、学術会議が推薦した新会員全員を直ちに任命することを強く要求する。

以上

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