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※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、宮城県知事及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:193KB]

【要望書】女川原発2号機の再稼働反対を求める要望書

2020年10月23日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
公害環境対策部長 野本 哲夫

 

 女川原発は、重大事故を起こした東京電力福島第一原発1〜3号機と同じ沸騰水型。東日本大震災の被災原発で、外部電源が5系統のうち4系統が遮断した他、火災や建屋への浸水など、重大事故になりかねませんでした。
 想定を超える揺れに度々見舞われたことで、建屋に多数のひび割れが見つかっており、剛性は著しく低下しています。国の地震調査研究推進本部は、宮城県沿岸は今後30年以内にマグニチュード7級の地震が起こる確率が90%としており、今後も強い揺れや大きな津波に襲われる恐れがあります。

 原子力規制委員会(規制委)自ら「基準さえ満たせば原発が安全であるという誤解を生む」とクギを刺すように、新基準は事故ゼロを保証するものではありません。
 再稼働に際し規制委が募集したパブリックコメントでは、地震や津波対策への不安の声が目立ちました。宮城県でも、短期間で条例制定の直接請求に必要な署名数が集まるなど、県民は住民投票を求めています。また宮城県保険医協会は医療機関等への調査で、避難計画の実効性が無いことを明らかにするなど、多くの不安や疑念は全く解消されていません。
 原発事故はあまりにも社会的被害が大きく、企業の責任どころか、国でさえ責任を負えるものではありません。太平洋沖での再度の大地震は予測されており、仮に事故が起これば宮城県には人は住めなくなり、賠償は膨大なものになります。

 知事はかねて「県民の代表である県議会と市町村長の考えを県民の総意として政府に伝える」と話してきましたが、実効性ある広域避難計画の策定や、少なくともUPZに入る30km圏内の自治体住民、首長の同意を得ないまま、住民の声に逆らい再稼働をおしすすめることは許されません。ここで再稼働の判断をすることは独断の謗りを免れません。
 地方に負担と分断を負わせるのではなく、核のごみを出さないで原発をやめることが政治の決断です。原発を推進してきた政策の誤りのツケを、財政面の恩恵や地域振興と引き換えに地域住民に負わせるべきではありません。

 本会は、国民のいのちと健康を守る医師、歯科医師の団体として、下記の事項を要望します。

一、 東北電力女川原子力発電所2号機の再稼働に同意しないこと

以上

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