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※全国保険医団体連合会では、下記の談話を発表し、宮城県知事及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:136KB]

【談話】宮城県知事による女川原発2号機の再稼働同意に抗議する

2020年11月17日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本 哲夫

 

 村井嘉浩宮城県知事は、11月11日、東北電力女川原発2号機の再稼働について再稼働の事実上の前提となる「地元合意」を表明した。

 知事は理由について、原子力発電は重要なベースロード電源であることや、雇用が生まれ地元経済に寄与すること、それに原子力規制委員会の新しい規制基準に合格し安全性を確認できたと判断したことなどをあげた。県議会と立地自治体を含む市町村長の理解を得られたとも説明したが、県内3町長が反対したことや、県民の意向については触れなかった。

 一方、事故が起きた際の住民の避難の在り方については、避難道路の整備を進め避難計画の見直しも続ける考えを示した。10月27日の地元紙の世論調査では、再稼働を認めた県議会の態度を「支持しない」が72%、知事が「地元同意すべきか」は「いいえ」が57%などとなっている。

 同原発は東日本大震災の被災原発で、建屋の剛性の低下が確認されている。安全対策工事の完了見込みは2022年としているが、2013年から4回延期している。対策工事においても、放射性物質を閉じ込める対策を放棄しているなど、ずさんなものだ。

 県の試算では、5km圏内の住民が避難するのに5日以上かかる。また宮城県保険医協会の医療機関等に対する避難計画アンケートでは、過酷事故時の避難は不可能との回答が65%を占めた。住民の抱く多くの不安や疑念は全く解消されていない。

 政府は、規制委員会が基準に適合すると認めるとすぐに再稼働に同意するように地元に要請している。無責任な原発推進政策を地方に押し付けてはならない。いまこそ原発政策の転換が必要である。

 本会は、国民のいのちと健康を守る医師、歯科医師の団体として、国民のいのちと安全を脅かす知事の再稼働同意に抗議する。

以上

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