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※全国保険医団体連合会では、下記の要望書を発表し、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:155KB]

【要望書】2021年介護報酬改定で、
介護報酬の大幅な底上げの実現を求める緊急要望書

2020年11月30日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
地域医療対策部
医科部長 中島 幸裕
歯科部長 小山田 榮二

 

 10月30日に開催された第190回介護給付費分科会では、コロナ禍の影響を受けていない令和元年度決算でも、全サービス事業の平均収支差率は2.4%しかなく、前年度から0.7ポイント減少していることが報告されました。
 また、同分科会で発表されたコロナ禍の影響に関する緊急調査結果では、新型コロナウイルス感染症の流行前と比較して「悪くなった」と回答した事業所の割合は、緊急事態宣言が出された5月で47.5%、10月で32.7%となっています。
 新型コロナウイルス感染症は、低く据え置かれてきた介護報酬、慢性的な人手不足によって疲弊しきっていた介護事業所を直撃しています。
 介護事業所は、介護保険制度を支える上で極めて重要な役割を果たし、公益性を持っています。国は、必要な介護保険サービスを国民が受けられるよう、介護事業所の経営に責任を負う必要があります。介護事業所が現状で抱えている困難を早急に打開し、感染の再拡大・長期化に備えていく上で、また高齢化の進展に伴い今後いっそう増大していく介護需要に応えていく上で、介護報酬の大幅引き上げが、不可欠です。
 一方で、コロナ禍によって、さらに国民生活は一層厳しさを増しています。したがって介護保険の利用者負担拡大は絶対にすべきではなく、介護保険料・利用料の減免の拡充や高額介護サービス費の上限額を引き下げ、利用者負担を軽減することが必要です。
 なお、介護報酬改定にあたって、告示・通知の発出が大変遅く、介護現場に大きな負担が強いられています。コロナ対策で大変な状況下にある介護事業所に多大な負担を強いるべきではありません。
 こうしたことから、2021年介護報酬改定にあたって、下記の実施を強く要望します。

一、

介護報酬を大幅に引き上げること。引き上げにあたっては、介護サービス全般の改善が行えるよう、基礎的なサービス費用を引き上げ、底上げを行うこと。

一、

介護保険の利用者負担拡大を止め、介護保険料・利用料の減免の拡充及び高額介護サービス費の上限額を引き下げ、利用者負担を軽減すること。

一、

介護現場の混乱を回避するため、告示・通知の発出から実施まで、十分な周知期間を設けること。

以上

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