※全国保険医団体連合会では、下記の要請書を発表し、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:140KB])
【談話】大飯原発3号機、4号機の設置変更許可処分の
取り消しの判決を歓迎する
原子力規制委員会は、控訴せず、再稼働容認ありきの姿勢を改めよ
2020年12月7日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
経営税務部長 太田 志朗
12月4日、大阪地裁は、関西電力大飯原発3号機、4号機の設置許可処分の取り消しを求める住民訴訟で許可を違法として取り消す判決を下した。
この裁判は、福井や大阪など11府県の住民約130人が、原子力規制委員会による「設置変更許可」の取り消しを求めた訴訟を起こしていた。
主な争点としては、@関西電力が設定した「基準地震動」が適切な値であるか、A国の規制機関である原子力規制委員会が基準地震動を認めるにあたり、適切な審査をしたのかの2つであった。
判決によると、今回の設置変更許可の審査において、算出過程での基となる過去の地震規模の数値には平均値から大きく外れたものなど「ばらつき」があるのに考慮せず、数値の上乗せもしていなかったと指摘している。原子力規制委員会は審査にあたって、上乗せの必要性の要否を何ら検討することなく許可を出したことを問題視し、「地震規模の想定で必要な検討をせず、看過しがたい過誤、欠落がある」と結論付け、原子力規制委員会の許可は違法であるとの判断を下した。
自らが決めたルールを無視し、設置変更の許可を決定した原子力規制委員会の責任は、極めて重大である。同時に、これまでも原子力規制委員会は、同じような方法で新規制基準による「合格」判定を次々と行い、原発再稼働に前のめりの姿勢を続けてきたことも見過ごすことが出来ない問題点である。
今回、新規制基準に基づく設置変更許可を取り消す司法判断としては初の判決とのことであるが、大阪地裁の判決を大いに歓迎する。
原子力規制委員会は、今回の判決を真摯に受け止め、控訴をせず、すべての審査をやり直し、これまでの再稼働ありきの姿勢を改めるべきである。また、関西電力は、大飯原発の再稼働を断念し、廃炉にすべきである。
以上