※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:330KB]

小児受診及び2021年4月からの
全患者の加算のさらなる改善を求める

2020年12月24日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 新型コロナウイルス感染症の新規患者数は、「緊急事態宣言」が出された4月〜5月の状況をはるかに超え、感染拡大が止まらない。
 また、重症患者も増えており、新型コロナウイルス感染症の治療を担う医療機関では、人的、物的、経済的に大きな負担を強いられ、「医療崩壊」の危機が差し迫っている。
 また、一般病院や医科・歯科診療所においても、新型コロナウイルス感染症拡大阻止に向けた対策の強化を行いながら、日常診療に取り組んでいるが、受診患者が大幅に減少するなど医業収入が大幅に減収となり、医療機関の経営に重大で深刻な影響が出ている。特に小児科等においては大幅な減収が続いている。
 このような状況を踏まえ、小児への新たな加算が臨時的とはいえ実施されることは当然であり、評価するものである。しかし「全ての診療等において、新型コロナウイルス感染症を念頭に置いた対策が必要である」としているにもかかわらず、医科歯科の加算点数に差を設けたことには合理的な理由がなく問題である。歯科を医科並みに引き上げるべきである。
 併せて2021年4月からすべての患者の受診に際して感染予防策をとったうえでの初・再診料、入院料に加算点数を設けたことも評価する。しかし、しっかりした新型コロナウイルス感染症対策には、入院ベッドの確保を始め、マスク、消毒液、ディスポーザブルのガウン、ゴーグルやフェイスシールド、手袋などの感染防護に必要な資材、及び人手や時間もかかるなど多額の経費が必要である。そのことを考えれば、評価があまりにも低すぎることから、大幅に引き上げることが必要である。少なくとも薬価改定で削減される医療費4300億円(国費1000億円程度)を全額振り替えて対応するべきである。
 以上の医療機関に対する支援を行うことは当然であるが、一方で負担増により患者が医療機関に受診できなくなるようであれば問題である。コロナ禍で仕事がなくなった、給与が減った、仕事が制限された飲食業などで生活困難に直面している国民が、安心して医療機関に受診できるようにすることが、感染による重症化や死者を減らすうえでも極めて重要である。国が責任をもって患者負担軽減策を講じるべきである。
 以上のことから下記事項を要求する。

一、 小児への加算点数は歯科を医科並みに引き上げること
一、 2021年4月からの加算を大幅に引き上げること
一、 国が責任をもって患者負担軽減策を講じること

以上

ホームニュースリリース・保団連の活動私たちの提言・意見