※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:135KB])
【声明】東京五輪大会組織委員会・森喜朗会長の
女性差別発言に抗議し、辞任を求める
2021年2月5日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
女性部部長 齊藤 みち子
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は日本オリンピック委員会評議員会において、女性理事を増やす同委員会の方針に対し「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」「誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それでみんな発言される」などと女性を蔑視・揶揄する発言をし、評議員からは批判どころか笑いが起きたと報じられている。
森会長の発言は、あらゆる差別を認めない五輪憲章の原則に反し、東京大会が掲げる「多様性と調和」のビジョンにも反する。女性の発言を「女同士の争い」に蔑め、さらに現在の女性理事を「わきまえている」と評価することで、暗に発言を控えるよう強いている。典型的な男尊女卑である。
国内外から大きな批判を受けて翌日に謝罪・撤回したものの、毎日新聞の取材に対し「一般論として、女性の数だけを増やすのは考えものだと言いたかった」と話すなど、問題の本質をまったく理解していないことが伺える。「わきまえる」という表現については「時間やテーマに合わせた話をする」という意味であると釈明したが、記者の「なぜ女性に限る必要があるのか」という質問には答えていない。
世界経済フォーラムの2020年ジェンダーギャップ指数で、日本は153カ国中121位とさらに順位を下げた。あらゆる組織において女性の指導者・幹部の登用が求められ、クオータ制などのポジティブアクションが推奨される中で、世界の流れに逆行する姿勢は、大会の責任者として大いに問題がある。
森氏の女性を蔑視する発言は今回に限ったことではない。差別発言に対し厳しく抗議するとともに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の辞任を求める。
以上