※全国保険医団体連合会では、2月19日の原発避難者訴訟(千葉訴訟)東京高裁判決について下記の談話を発表し、経産省、東京電力、マスコミ各社に送付しました。(PDF版はこちら[PDF:137KB]

【談話】原発避難者訴訟(千葉訴訟)東京高裁判決について

2021年2月25日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本 哲夫

 

 2月19日東京高裁で、東京電力福島第1原発事故で福島県から千葉県に避難した住民が国と東電に損害賠償を求めた千葉訴訟控訴審判決があった。白井幸夫裁判長は、国が東電に対し津波対策を求める規制権限を行使しなかったのは「違法」として国の責任を認め、東電と国に計2億7800万円の支払いを命じた。
 一審千葉地裁判決は国の責任を否定しており、原告住民側の逆転勝訴となる画期的な判決であった。
 今回の東京高裁判決は、福島第1原発への津波襲来の予見可能性について、2002年に国が公表した地震予測「長期評価」が「相応の科学的信頼性のある知見」であり、この見解を判断の基礎としないことは「著しく合理性を欠く」と判断。それに従えば、敷地を大きく超える津波が到来する危険性を認識でき、防潮堤の設置、タービン建屋や重要機器室の水密化措置のなどの対策をとれば、すべての電源を喪失する事態にならなかったと認めるべきだ、と指摘した。
 また、損害賠償の範囲についても「元の居住地へ帰るために暫定的な生活を続けるか、帰るのを断念するかといった、意思決定をしなければいけない状況に置かれること自体が精神的な損害だ」として、避難生活に対する慰謝料だけでなく、生活の基盤が大きく変わったことについても賠償すべきだという判断を示した。
 国と東京電力の責任を断罪した今回の東京高裁判決の意義は極めて大きいと考える。国と東京電力はすべての被害者に対して十分な賠償を行うこと、全面的な被害救済と解決を図るべきである。本会は、国民のいのちと健康を守る医師、歯科医師の団体として、事故についての責任を認め謝罪すること、原発を即時稼働停止し廃炉とすること、原発依存からの脱却、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー政策への転換を求めるものである。

以上

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