※全国保険医団体連合会では、下記の談話を発表し、総理、簗和生衆院議員、山谷えり子参院議員及びマスコミ各社に送付しました。(PDF版はこちら[PDF:152KB])
【声明】自民党議員の性的少数者に対する差別発言に抗議し、
発言の撤回、謝罪、議員辞職を求めます
2021年5月27日
全国保険医団体連合会
会長 住江憲勇
LGBTなど性的少数者への「理解増進」を図る法案を議論した5月20日の自民党の会合で、同党の簗和生衆院議員が、「生物学上の種の保存に反する」という趣旨の発言をしたと報じられている。性的少数者に対する差別と偏見に基づき、当事者の存在を否定するものである。
また、自民党の山谷えり子参院議員も19日の党内の会合で、「体は男だけど心は女だから女子トイレに入れろと言ったり、女子の陸上競技に参加してメダルを取ったり、馬鹿げたことが起きている」と述べたとのことである。トランスジェンダーの実態を無視し、誤解と偏見を煽る発言である。
性的少数者への差別や偏見をなくす先頭に立つべき国会議員によるこれらの発言は、断じて許されない。両議員に対し、発言の撤回と謝罪、議員辞職を求める。また、自民党総裁である菅義偉首相は、党を代表しての謝罪と両議員への辞職勧告をすべきである。
自民党内では、2018年には杉田水脈衆院議員が、同性カップルは「生産性がない」と雑誌に寄稿し、19年には平沢勝栄議員が「性的少数者ばかりになったら国がつぶれる」と発言するなど、性的少数者の尊厳を傷つける言動が繰り返されてきた。しかし自民党はこうした議員らに謝罪や辞職を求めることなく、実質的に発言を容認してきた。差別に毅然と対応しない自民党の姿勢が今回の議員らの発言につながっており、さらに性的少数者に対する差別や無理解が根深い日本の現状を温存させているといえる。自民党は自らの責任を深く自覚すべきである。
我々は、いかなる場合においても性的指向及び性自認を理由とする差別と偏見を許さず、法律の制定を含めて、性的少数者への人権侵害をなくすためのあらゆる動きに連帯することを表明する。
以上