※全国保険医団体連合会では、9月11日・12日に「第38回病院・有床診療所セミナー」を開催し、下記の決議を採択しました。決議文は総理大臣、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:175KB]

【決議】コロナ禍で顕在化した医療制度の脆弱性を改善し、
必要な医療が提供できるよう診療報酬の大幅引き上げと
患者負担増の中止を求める決議

 

 新型コロナウイルス感染症拡大によって、医療制度の脆弱性が浮き彫りになっています。
 その原因は、@長年にわたる政府の医療費抑制・病床削減・医師養成制限、保健所機能の縮小政策、A新型コロナ感染症発生から今日まで医療提供体制の抜本的改善を政府が怠ってきた結果です。
 来年4月には診療報酬改定が予定されていますが、2002年以降の引き下げ幅は累計で10%以上にのぼります。コロナ禍に対応し、「働き方改革」に伴う人件費や物価上昇等に対応するためには10%以上の診療報酬引き上げが不可欠です。
 また、2022年10月以降に75歳以上の窓口原則2割負担化を予定していますが、これが実施されれば、受診抑制が一層広がってしまいます。

 資本金10億円以上の大企業の内部留保は毎年拡大し、2020年度には467兆円を超えました。内部留保の増加は、雇用制度の改悪と法人税減税によるものです。賃金や雇用体系を改善し、諸外国と比べて低い社会保障に対する事業主負担を引き上げるなど、大企業の内部留保を社会に還元させ、高薬価を是正すれば、診療報酬を引き上げ、患者負担を軽減し、雇用と生活、社会保障を守ることが可能です。
 平成22年版厚生労働白書では、社会保障分野の「総波及効果」は公共事業よりも高く、主要産業より「雇用誘発効果」が高いことが示されています。
 社会保障への支出は、社会保障を受ける人を支えるだけでなく、雇用を確保し、日本経済を押し上げる効果を有します。社会保障拡充は、景気浮揚にも寄与するものです。
 なお、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、日常診療にも大きな影響を与えております。とりわけ重症度、医療・看護必要度をはじめとした各種の施設基準要件を満たすことが困難となっています。
 こうしたことから、私たちは次の事項の実現を強く求めます。

一、 2022年改定で基本診療料(初・再診料、入院基本料など)を中心に、診療報酬を10%以上引き上げること。
一、 75歳以上の窓口原則2割負担化を中止し、負担を軽減すること。
一、 地域状況を勘案しない病床再編・削減をやめること。
一、 新型コロナ感染症拡大を踏まえ、「重症度、医療・看護必要度」をはじめとした施設基準の経過措置延長を行うこと。

以上、決議する。

2021年9月12日
全国保険医団体連合会
第38回病院・有床診療所セミナー

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