※全国保険医団体連合会では、11月21日に地域医療活動交流集会を開催し、下記の決議を採択しました。決議はマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:197KB])。

【2021年度地域医療活動交流集会決議】

コロナ禍で顕在化した医療制度の脆弱性を改善し、必要な医療が提供できるよう
診療報酬を大幅に引き上げるとともに、患者負担増の中止を求める決議

2021年11月21日
全国保険医団体連合会
地域医療活動交流集会

 新型コロナウイルス感染症拡大によって、医療制度の脆弱性が浮き彫りになっています。その原因は、@長年にわたる政府の医療費抑制・病床削減・医師養成制限、保健所機能の縮小政策、A新型コロナ感染症発生から今日まで医療提供体制の抜本的改善を政府が怠ってきた結果です。
 来年4月には診療報酬改定が予定されていますが、2002年以降の引き下げ幅は累計で10%以上にのぼります。コロナ対応のための経費増に対応し、「働き方改革」に伴う人件費や物価上昇等に対応するためには10%以上の診療報酬引き上げが不可欠です。
 また、2022年10月以降に75歳以上の窓口原則2割負担化を予定していますが、これが実施されれば、受診抑制が一層広がってしまいます。
 資本金10億円以上の大企業の内部留保は毎年拡大し、2020年度には467兆円を超えました。内部留保の増加は、雇用制度の改悪と法人税減税によるものです。賃金や雇用体系を改善し、諸外国と比べて低い社会保障に対する事業主負担を引き上げるなど、大企業の内部留保を社会に還元させ、不適切に高額な薬価を是正すれば、診療報酬を引き上げ、患者負担を軽減し、雇用と生活、社会保障を守ることが可能です。
 平成22年版の厚生労働白書も、社会保障分野の「総波及効果」は公共事業よりも高く、主要産業より「雇用誘発効果」が高いことを示しています。社会保障への支出は、社会保障を受ける人を支えるだけでなく、雇用を確保し、日本経済を押し上げる効果を有します。社会保障拡充は、景気浮揚にも寄与するものです。
 なお、国民の命と暮らしを守るためにも、新型コロナウイルス感染症対策の強化が必要です。また、コロナ禍の中で予防接種施策の遅れが一層明らかとなりました。
 こうしたことから、私たちは次の事項の実現を強く求めます。

一、

2022年の診療報酬改定は、基本診療料を中心に 10%以上の引き上げを実施すること。一.75歳以上の窓口原則2割負担化を中止し、窓口負担を軽減すること。

一、

公立・公的病院の再編・統合は直ちに中止し、地域においてICUや感染症対応病床の確保、保健所の拡充を進めること。また、医師・看護師需給計画を抜本的に見直すこと。

一、

新型コロナ感染症対策を抜本的に強化し、ワクチン、検査、必要な入院・療養体制の確保、治療方法・治療体制の確立を急ぐこと。

一、

国による子ども医療費助成制度、妊産婦医療費助成制度、補聴器助成制度の創設・拡充を図ること。

一、

予防接種施策を評価・検討する仕組み(日本版ACIP)を設立し、予防接種施策を強化すること。また、ワクチン接種後の健康被害に対する補償を充実すること。

以上、決議する。

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