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医療費負担増による患者被害の例

04年3月11日現在



 04年4月で医療費の健保3割負担が実施されて1年、老人完全1割負担から1年半が経過します。この患者負担増により、受診をやめた患者さん、薬の量を減らして症状が悪化された患者さんがいるなどの声が、いくつかの本会会員医療機関より寄せられました。その声を以下に紹介します。


○東京都新宿区Tクリニック

・在宅療養、95歳の女性。燕下障害があり、経腸栄養に頼っていたが、老人1割の影響にて家族が(利用を)制限。一時、栄養状態が落ち、そのまま寝たきりとなってしまった。


○富山市高岡市Tクリニック

・糖尿病のコントロール不良の患者さんで、服薬をきちんとしないと生命に影響を与えると推測される方が、突然来院されなくなった。危険だと考え電話をかけ安否をたずねると、医療費が払えないので放置していると言われた。

・在宅管理の患者さんで、誤燕を繰り返し、肺炎にたびたびなる為に以前は週2回以上の訪問診療をしていたが、(高齢者の)1割負担が払えないと月に2回の訪問となった。すると誤燕性肺炎の為に重症化。結局入院となり、医療費は逆に何倍もの費用がかかった。


○富山県富山市Yクリニック

・40代前半の男性。高血圧・狭心症。2003年4月以降、中断傾向となり、6月、仕事中に心筋梗塞発生にて永眠された。


○京都府京都市K医院

・40歳代の勤労者。子供にお金が要り、両親の面倒もみて大変です。先日、胃の不調で検査をしたところ、大きな胃潰瘍がありましたが、お金が高いのであとのフォロー(治療)は拒否して薬のみくれと言います。3割の負担は大打撃です。まともな医療ができません。


○京都府京都市T診療所

・慢性疾患で3〜4カ月来ない人に電話したら、「薬代高い。朝、自動血圧計で測り、正常なら(薬)飲まず、少し高いと(薬)半分にしている」とのこと。血圧の日内変動のことや、降圧剤を半分に割り呑むと割面から早く薬の成分が出ることなどの説明に時間を要しました。


○京都府相楽郡F医院

・68歳、女性、高血圧、うつ病。5剤服用していた薬を2003年9月より本人の希望で2剤にへらした。本人の3〜4カ月に1回の血液検査も5〜8カ月に1回に減らした。本人の希望で2週ごとの受診も4週ごとに減らした。何か不都合なことが起こらないか心配。