ホームニュースリリース・保団連の活動保団連の調査など

 

参院選歯科医療政策
―「保険で良い歯科医療を」全国連絡会がアンケート―

全国保険医新聞2016年6月25日号より)

 

  「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は、7月の参議院選挙を前に、「参議院選挙に向けた歯科医療政策アンケート」を実施しましたので、概要を紹介します(アンケート結果全文は、同連絡会ホームページで後日紹介)。

「参院選マニフェストの中に歯科医療政策はあるか」では、回答のあった全政党が「ある」もしくは「作成中」と回答。
□「窓口負担割合を引き下げること」については、共産、社民、生活が「賛成」。「反対」はなし。自民は、「75歳以上原則1割負担、義務教育就学前2割負担、高額療養費制度などを設けている」、民進は、「保険料、公費、自己負担のバランスを考慮して検討」(民進)など「その他」で回答。
「窓口負担無料化での自治体へのペナルティ」については、共産、社民、生活が「反対」。「その他」は、「国民健康保険の減額調整措置のあり方について必要な対応を検討」(自民)、「保険者間の公平性の確保の観点でも検討も必要」(民進)などのコメント。
「保険のきく範囲の拡大」については、共産、社民、生活が「賛成」。「その他」は、「国民が必要とする歯科医療を提供できるよう取り組んでいく」(自民)、「安全性、効果が実証された治療については迅速に保険適用すべき」(民進)。
「公費医療保険の縮小」については、民進、共産、社民、生活が「反対」。「審査を迅速化し、安全性・効果が実証されたものは、公的保険の適用とすべき」(民進)、「自費診療、混合診療拡大は、負担能力による『治療の格差』『命の格差』につながる」(共産)などとコメント。自民は「その他」で、「国民皆保険制度を堅持しつつ、必要に応じ保険外併用療養制度を改善し、国民が最先端の医療に迅速にアクセスできるよう取り組んでいく」。
「歯科診療報酬の引き上げ」について次のような意見がよせられた。「厳しい財政状況だが、歯科医療を取り巻く状況を勘案し、国民に適切な歯科医療を提供できるよう取り組む」(自民)、「引き上げに取り組む。歯科口腔健康法に基づいた歯科医療の充実等の視点から重点化すべき」(民進)、「歯科診療報酬の抜本的な増額・改革が必要」(共産)、「診療報酬の引き上げが必要」(社民)など。
「歯科健診を充実させること」については、民進、共産、社民、生活が「賛成」。自民は「その他」。


「歯科衛生士の施策」についての主な意見。
「復職支援を通じての確保が重要で、都道府県の支援の取り組み、診療報酬での点数の引き上げなどを実施」(自民)、「就労環境の改善と復職支援を進める」(民進)、「歯科医療・口腔ケアの専門職を確保できる制度の確立を国の責任で推進」(共産)、「役割を広め、社会的地位を高め、診療報酬の評価をあげる必要がある」(社民)、「診療報酬の引き上げと歯科診療所の地域平均化」(生活)など。


「歯科技工士の施策」についての主な意見。
「診療報酬改定において全体として底上げが図られた。国民が必要とする歯科医療の提供に取り組む」(自民)、「賃金・労働時間等の就労環境を改善し、『製作技工に要する費用』の考え方を明確化」(民進)、「診療報酬の抜本的増額で、補綴関連の低報酬をはじめ、歯科技工士の技能や労働を正当に評価する報酬への見直し」(共産)、「補綴関連への低診療報酬の改善が必要」(社民)など。

※アンケートは6月10日を期日とし、回答のあった政党は、自民、民進、共産、社民、生活の5党。公明、おおさか維新は未回答。

以上