診療報酬5%引き下げ方針の財務相に抗議要請

 保団連は11月20日、診療報酬の5%引き下げを求める財務省に抗議の要請を行いました。保団連からは室生会長、宇佐美副会長らが参加、財務省からは主計局の厚生労働担当主計官、同主計官補佐が出席しました。

 保団連側は、4月の健保3割負担後の受診抑制の実態、患者負担増が診療内容にも影響を及ぼしていること、倒産の増加や経営苦による自殺など歯科医院経営の深刻な悪化、院内感染予防費用が診療報酬で保障されていないこと、などを数値も示して訴え、財務省の診療報酬5%引き下げ方針の撤回を求めました。

 主計官は、5%引き下げのマスコミ報道は誤解があるとして「物価・人件費の動向とパラレルに考えると診療報酬本体は3%程度のマイナス、薬価は実勢価格に沿うと1%台前半の引き下げになるだろうということで、5%引き下げの方針が確定しているわけではない。今回は予算編成の段階で改定率だけでなく、改定内容の方向性も決めたい」と語りました。歯科については、「歯科医師数の抑制が必要」と診療報酬での手当の必要性を認めませんでした。

 80年代以降、物価・人件費の上昇に見合う引き上げを怠りながらマイナスにだけ対応するのは不当であるとの追及には、「これまでは経済という視点が欠けていた」と述べ、医療機関の収支差の動向ではなく経済との整合性を重視するとして、医療経済実態調査の結果いかんにかかわらず引き下げを行う姿勢を示しました。

 入院時食事療養費の引き下げについては、金額の言明は避けましたが、「検討していることは事実、物を売って儲けるのではなく技術でという考え方である。1日780円の患者負担は、16年度予算でどうするかは別にして、財務省としてはホテルコスト部分は保険給付から外す、差額徴収は自由にという方向だ」と給付引き下げ分を患者負担に転嫁する方針を示しました。食事療養費は1日500円の引き下げで約2500億円の保険給付減となります。

 参加者からの「診療報酬の引き下げはデフレ促進になる」との指摘には、「公的料金の引き上げて物価を上げるのは非効率である」と医療従事者の人件費などへの影響を無視する回答をしました。

財務省主計官(中央奥左)に要請する室生会長