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社会保障と憲法を守る ― 第48回夏季セミナーを開催


全国保険医新聞2018年7月15日号より)

 

 

社会保障切り捨て許されない  住江会長

夏季セミナー全体会のもよう
あい さつする住江会長 三浦副会長

 保団連が7月7、8日に開催した第48回夏季セミナーには、48保険医協会・医会から384人が参加した。
 住江憲勇会長は開会あいさつで「地震、水害など災害続きで国民生活が困窮する中、安倍政権は、消費税10%増税、社会保障連続改悪の『骨太の方針2018』を閣議決定した。そこでは格差・貧困の是正や消費税に頼らない財源づくりの視点が欠落している。世界一企業活動しやすい国づくりと9条改憲を目指し、防衛費倍増、社会保障切り捨てに邁進する政治・経済運営は絶対に許されない」と訴えた
 初日は三浦清春副会長の基調提案に続き、元外交官で東アジア共同体研究所所長の孫崎享氏が記念講演した。
 2日目は、消費税、沖縄米軍基地、貧困問題、韓国の審査事情、歯科診療報酬改定をテーマに講座を開催。午後は医師の働き方改革をテーマにシンポジウムを開催し、到達と課題を活発に論議した。

 

 

「公助」の理念確立を ― 三浦副会長

 基調提案では三浦清春副会長が「医療・社会保障と憲法を守る運動を一体で攻勢的に推進しよう」をテーマに登壇。国民の対立を図り分断をあおる政府の宣伝に負けずに、秋からの負担増を許さない取り組みを力強く進めようと呼び掛けた。要旨は次の通り。

 

各層と連帯

 社会保障改悪は「公助」理念を後退させ、社会保障の役割を「自助・自立」の環境整備に歪めるものだ。社会保障は憲法25条に基づく国民の権利であり、「公助」であるという理念を確立しなければならない。
 政府は低賃金で無権利状態の若者と高齢者を対立させ、高齢者の医療費負担増を迫り、生活保護バッシングを利用し基準の引き下げを実施している。分断を図り対立を煽る宣伝に負けない各層と連帯した取り組みが大事だ。

 

「財源論」で騙されない

 社会保障費の伸びは毎年抑制されてきた。その口実は借金返済、単年度黒字化、国債破綻回避などさまざまだ。財務省は米国向けにはほぼ自国通貨建てだから国債での破綻はあり得ないと弁明する一方、国内では国債残高を減らすため社会保障費削減は必須と声高に主張している。しかし、財政赤字の主要な原因は税収減であり、社会保障ではない。大企業富裕層への優遇税制を改めて応分の負担を求め、大企業の多額の内部留保金を賃上げに回して社会保険料収入を増やせば財源を捻出できる。強引に社会保障費を抑制する必要はない。

 

大砲かバターか

 2018年度予算では、概算要求の時点で社会保障費の自然増が6300億円とされたが、財務省の要求で1300億円削られた。診療報酬もマイナス改定を強いられた。
 1300億は右肩上がりの防衛費の増加額と同額だ。安倍首相はトランプ米大統領に武器購入を約束し、自民党の防衛費の対GDP2%への拡大要望にも肯定的だ。仮に2%枠が実現すれば防衛費が11兆円に膨らむ。東アジアの緊張緩和により、今では軍事力より外交力が求められ、軍拡は不要だ。「大砲かバターか」があらためて問われている。9条改憲を許さず、平和でこそ命・健康は守られることを訴えて、取り組みを進めていく。

以上