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「軍事力では防衛できない」
第48回夏季セミナー 孫崎亨氏が講演


全国保険医新聞2018年7月15日号より)

 

 

元外交官・東アジア共同体
研究所所長 孫崎享氏

 夏季セミナーでは、元外交官で東アジア共同体研究所所長の孫崎亨氏(写真)が「憲法9条改憲と日本の外交・安全保障」をテーマに記念講演。今日では軍事力による安全保障は達成し得ないと話した。講演概要を紹介する。

 

 今世界で安全保障の議論をする際には、相手に攻撃されたら防衛は不可能で確実に破壊される、という前提に基づく。
 例えば北朝鮮が発射する短距離・中距離弾道ミサイルを迎撃するには、目的地点をセンチメートル単位で把握して、軌道を計算する必要がある。しかし今のミサイル防衛システムでは、そんなことは不可能だ。日本の安全保障にまったく意味がないものに、政府は防衛費をつぎ込んでいる。
 日本の国を守るためには、米国の軍事力に頼るのではなく、攻撃されないメカニズムを作っていくしかない。 
 ヨーロッパで戦争を繰り返していた独仏は、エネルギー源である石炭と武器の原料となる鉄鋼を共同管理する欧州石炭鉄鋼共同体(今日のEUの母体)を作り、利益を分かち合うことで、戦争を防ぐ仕組みを作った。争いが頻発していた東南アジア諸国も、ASEANを設立し共同の関係を作ることによって平和を維持している。北朝鮮の脅威への対応を本気で考えるならば、東アジアでも、このような共同体を構築していくことが有効だと思う。

 

9条改憲は自衛隊のためではない

 安倍首相は9条改憲の狙いを、自衛隊を憲法上位置付けることとしている。しかし、安倍首相の9条改憲は、米国の軍事戦略に協力して自衛隊を海外に派遣することが目的だ。断じて自衛隊のためではない。

以上