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高額療養費改善を提案
保団連が要請 全年齢の医療保障こそ


全国保険医新聞2018年9月15日号より)

 

 

 患者の医療費負担に月ごとの上限を設ける高額療養費制度で、「現役世代との公平」「負担能力に応じた負担」などを理由に70歳以上の高齢者の負担上限が8月から引きあげられた。慢性疾患などの継続的な管理を促すため外来受診の負担を月の上限額からさらに抑えてきた「外来特例」も現役並みの収入がある場合は廃止された。全国保険医団体連合会は長期間治療が必要な患者や低所得者への影響を指摘して、負担限度額の引き上げをやめ、外来特例を拡大することなどを首相、厚労相に9月9日に要請した(9月9日付要請書「高額療養費制度の改善を求める要望書」)。

 

70歳以上は8月から負担増

 70歳以上の患者の負担上限は昨年8月から段階的に引き上げられてきた。約370万円以上の現役並の収入があるとされる人では、昨年7月まで外来の上限は約4万4,000円で月の上限が約8万円だった。これが外来受診も含めて年収に応じて月約8万円、約17万円、約25万円の上限へと大幅に引き上がる。約370万円未満の一般的な収入とされる人も、昨年7月までは外来は1万2,000円、月で約4万4,000円だったのが、外来は1万4,000円、月で約5万8,000円と負担増だ。

 

高齢者9割が慢性疾患を治療

 後期高齢者の9割弱が慢性疾患のため外来通院し、およそ3人に2人が2種類以上の慢性疾患を治療している。「現役世代との公平」のための外来特例廃止や負担上限の引き上げは実態を無視したものだ。むしろ非正規雇用の増大などで雇用が不安定化する中、現役世代にも必要な医療を保障するための負担軽減が求められている。「負担能力に応じた負担」についても、税・保険料における応能負担にこそ適用されるべきであり、必要な時に迅速な受診が保障されるべき医療の窓口負担への導入・拡大は問題だ。
 保団連は、@高齢者の負担上限を昨年7月の水準に戻す、A外来特例を全年齢に拡大し上限額を引き下げる、B少なくとも1カ月未満の入院について、月をまたいで合算できるようにする―を緊急要望した。また、▽月の負担上限を昨年7月の水準の2分の1にする▽一般的な収入の人に適用されている年間での上限額設定を対象拡大する▽高額療養費制度の手続き簡素化と制度の周知―などの抜本改善を提案した。

以上