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妊婦加算で談話
妊婦の窓口負担無料に、報酬の評価当然、政治圧力は遺憾


全国保険医新聞2019年1月25日号より)

 

 

 妊婦が外来受診した際の母体や胎児への特別な配慮を評価した妊婦加算が1月から凍結された。コンタクトの処方や会計時に妊婦だとわかって算定した事例などにSNSやメディアで批判が集中。厚労相の諮問を受けた中医協が昨年12月19日に凍結を了承した。全国保険医団体連合会(保団連)の住江憲勇会長は同月26日に談話を出し、「診療報酬での評価は当然」とし、妊婦加算に関する厚労省の周知不足と批判。この問題をきっかけにして妊婦の医療費窓口負担無料化などの検討を進めることなどを求めた(12/26付会長談話「「妊婦加算」の「凍結」について妊婦の医療費窓口負担軽減の検討を」)。

 

加算の是非とは別問題

 妊婦加算は、中医協の答申書にあるように「妊婦の診療に積極的な医療機関を増やし、妊婦がより一層安心して医療を受けられる体制の構築を目的」としたものだ。妊婦に対する診療では、投薬、検査方法の選択など妊娠の継続や胎児への特別な配慮が必要だ。医科のみが対象だったが、麻酔や観血的処置など妊婦への特段の配慮が必要な歯科にも加算を適用すべきものだ。
 批判を浴びた事例については、厚労省が医療機関に対して算定ルールを明確化し、妊婦や家族に妊婦加算の趣旨を丁寧に説明することで対処できる。加算の是非とは別問題だ。

 

専門的検証ない

 また談話では、今回の凍結について、中医協で専門家による調査・検証が行われなかったことを問題視。「自民・公明の与党の政治的圧力により、いきなり厚労相が中医協に『凍結』を諮問したことは遺憾」と批判した。厚労相の諮問に先立って、小泉進次郎衆院議員が部会長を務める自民党厚労部会などが強く見直しを求めていた。

 

産み育てる環境を

 談話では、「今回の問題の背景にあるのは、3割負担という高額な窓口負担」と指摘している。実際に、6歳未満の乳幼児を診察した際に算定される乳幼児加算は、自治体の医療費助成によって患者負担が生じず、批判の声も上がっていない。
 現行の定率負担制度では、患者の特性に合わせた適切な診療を診療報酬で評価すると患者負担が増えざるを得ない。
 今後、有識者会議で、妊婦が安心できる医療提供体制の充実などが議論される。談話では、「今回の問題を契機に、窓口負担だけでなく妊婦のさまざまな負担軽減策が検討され、子どもを産み、育てやすい環境整備が実現することを強く望む」とした。

以上