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審査、指導の改善へ実態交流
―審査、指導、監査対策担当者会議―


全国保険医新聞2019年1月25日号より)

 

記念講演を聞く参加者

 

 保団連は審査、指導、監査対策担当者会議を昨年11月18日に東京都内で開催し、45協会・医会から医師・歯科医師ら140人が参加した。会議の模様を報告する。

 

支払基金改革、現場への影響注視を

 社保・審査対策部の武田浩一医科部長が基調報告し、国が進める審査支払機関改革による審査の画一化やレセプトデータの民間利用、支部集約化などの動きに懸念を示し、「国民皆保険を堅持し患者への必要な医療を確保すること、医師の裁量権を縮小させない取り組みを多くの会員と推進していくことが重要だ」と強調した。指導については、今なお「『懇切丁寧に行う』という本来の指導とはかけ離れた問題のある指導が行われている」とし、引き続き改善運動推進を呼び掛けた。

講演した支払基金の出口氏

 全国社会保険診療報酬支払基金労働組合(全基労)書記長の出口潔氏が、「支払機関改革の動きと問題点―実証テストの状況も含めて」をテーマに報告した。
 出口氏は「支払基金業務効率化・高度化計画」の下、@画像レセプト処理システムの更新A一括帳票システムの稼働Bレセプトの選択記載式コードの運用―などが実施されていると紹介。この動きが、支部の集約を含めた組織体制の抜本的な見直しや、手数料と査定の費用対効果などを打ち出した「規制改革実施計画」(昨年6月閣議決定)の一環であることを指摘した。今後、実証テストや新コンピュータシステムによる審査への影響に注視が必要と強調した。
 情報通信部の本田孝也部長は、昨年5月に行われた韓国・HIRA(健康保険審査評価院)の視察結果と、それに基づく今後の取り組みについて問題提起した。
 午後の医科分散会では、出口氏を交えたフロア討論、各協会やブロックからの取り組み報告と意見交流が行われた。歯科分散会では、支払基金歯科専門役の和田康志氏が「歯科保険医療の動向と支払基金の役割等について」と題して特別講演し、それを受けて意見交換した。

 

■医科分散会

個別指導の会場増設などの成果も

 医科分散会では、支払基金改革の報告を受けて審査、指導問題について意見交換した。
審査について、悪性腫瘍特異物質治療管理料は、「当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回限り算定できる」とされていて、文章上は検査結果が出る再診時に算定すると読めるが、実際は初回でがんだと判断できるケースもあり、一般的には検査時に算定している。しかし最近指導の場で、「再診時に算定するよう」指導されたというケースが複数報告された。対策として現状では、指導での指摘と実態が伴っていないことから、指導時に指摘された場合は理由を主張することが重要との意見が出された。
 指導について、岩手協会は、「昨年9月に行った東北ブロックの厚生局懇談で、指導日や会場に関する行政の柔軟な対応を要請した結果、医科の個別指導の実施会場がこれまでの1カ所から3カ所へと増設された」と紹介。沿岸部の会員の負担軽減となり、今後は内陸部での改善も求めていくと報告した。
 東京協会は、「昨年7月に行った要請で厚労省が高点数が全て悪いとの認識はないと回答した」と紹介。高点数以外の追加的な指標を検討しているとして、「高点数による個別指導自体が廃止されるかは、今後の検討次第」と答えたと報告した。
 分散会を通じて、保険医の人権を守るため、今後も、行政手続法に則った指導の実現や、「懇切丁寧に行う」という指導大綱の規定に則った指導の実現を求めて、厚労省、地方厚生(支)局に働き掛けていくことが重要と認識を共有した。

 

■歯科分散会

各地の状況や取り組みを交流

 歯科分散会では、支払基金歯科専門役の和田康志氏が「歯科保険医療の動向と支払基金の役割等について」をテーマに特別講演した。
 和田氏は、今後の人口構造の変化が医療・介護費に及ぼす影響について、2025年までは高齢者の急増による医療費等の増加が想定されるが、それ以降は生産年齢人口が急減する影響で、医療費等の傾向も変化していくと指摘。医療費の増減要因としては、こうした人口動態による影響に加え、新たな医療技術の保険導入等による医療の高度化なども影響していくことを指摘した。
 また、診療報酬改定も見据えて保険局医療課への要望の他、審査上の取り扱いが収斂されるよう定期的に審査情報提供事例を支払基金ホームページで公開するなどの支払基金の取り組みを紹介した。
 講演後は各地の状況や取り組みについて意見交換した。▽指導医療官が協会組織を誹謗中傷したとして抗議し、組織的解決を目指して取り組んでいる▽新しく赴任した指導医療官との落ち着いた懇談が実現した▽再指導等への指導結果の決定プロセスに指導医療官よりも事務官が大きく関与していることが推察される事例がある―などが報告された。協会として弁護士らと数カ月毎に勉強会を重ねており、近く取りまとめをする予定であることなども紹介された。

審査、指導、監査の備えに

「保険医のための審査、指導、監査対策」第4版が完成

 保険診療のルールや審査、指導、監査制度の仕組みなどを解説し、日常診療で萎縮せずに患者に医療提供できるよう保険医を支えます。

解説項目

審査対策/再審査請求の仕方/集団的個別指導・個別指導の実際と留意点/指導、監査の相違点、カルテ・帳票類の整備…等


以上