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広がる子ども医療費無料化
― 地域格差の解消が課題 統一地方選の争点に ―


全国保険医新聞2019年2月25日号より)

 

 子ども医療費助成制度は近年、各地の保険医協会・医会などの取り組みにより、拡充が進んできた。しかし自己負担や所得制限など、地域格差の解消が課題となっている。助成の拡大を統一地方選の争点に押し上げることが重要だ。また、全国保険医団体連合会(保団連)は国の責任による子ども医療費無料化を求めている。

 

 就学前の子ども医療費は、2017年4月現在で全国すべての市町村で外来・入院とも助成が実現し、中学卒業までの助成も外来で86.16%、入院で94.54%に広がっている(表1)。昨年は、医療機関の窓口で患者負担が生じない現物給付で助成する自治体へのペナルティー(国保への国庫からの補助金減額)が就学前に限って撤廃された。

 

協会の取り組み 各地で成果

 全国の保険医協会・医会は、子ども医療費の助成拡大に大きな役割を果たしてきた。 
 岩手協会は、12年から県と県内全ての市町村議会に現物給付を求める請願活動を開始し、県議会と県内すべての市町村で採択された。署名や要請も繰り返し、16年には就学前と妊産婦への助成の現物給付化が実現。昨年9月には、県が小学校卒業までの現物給付化を表明した。
 静岡県では、18年10月から県の助成が18歳まで拡大したが、政令市である静岡市と浜松市には県の補助がなく中学卒業までの助成に留まっていた。静岡協会は県に政令市への助成を申し入れるとともに、理事会声明を採択し、多くのマスコミに取り上げられた。その結果、県が両市への助成を決め、今年10月から全市町村で18歳までの助成が実現した。
沖縄協会は昨年、他団体と協力して中学卒業までの医療費無料化を求める署名に取り組み、約1万8,000筆を県議会に提出した。22年度から助成を小学校卒業まで拡充し、その後段階的に中学卒業まで拡大することが決まった。

 

「500円の窓口負担重い」

集会で自己負担などが重いと訴える
母親(2月5日、国会で)

 もっとも各自治体の助成内容には自己負担や所得制限などで格差があり(表2)、この解消が課題だ。「所得制限は子育て世代の分断につながる」(神奈川県川崎市)、「18歳までの助成ができたものの、500円の自己負担が重い」(静岡県静岡市)、「県内の36市町村が中学3年生まで無料になったが、神戸市は2歳までしか無料でない」(兵庫県神戸市)、「『子ども医療費助成制度で窓口での一時払いを完全ゼロ』を公約にして知事が当選したが、住民税非課税世帯の未就学児でしか実現していない」(鹿児島県鹿児島市)―保団連が事務局を務める「子ども医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク」が2月5日に開催した国会内集会では、各地の母親らから、無料化を求める声があがった。千葉協会、福岡歯科協会からは自治体や地方議員への要請などの取り組みも報告された。
地域格差の解消のためには、各地域で助成の拡充を統一地方選挙で争点にしていくことが重要だ。
さらに保団連は国の責任での子ども医療費無料制度の拡充・国の制度の創設を求めていく。

以上