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どうする超長時間労働、医師増員と診療報酬手当てこそ
― 医師の働き方改善求めて国会集会 ―

全国保険医新聞2019年3月25日号より)

 

 厚労省は医師の働き方改革に関する検討会で、2024年4月から勤務医に適用される時間外労働の上限を原則年960時間、特例を年1,860時間とする案を示した。3月末までに省令で定める方針。全国保険医団体連合会(保団連)も参加するドクターズ・デモンストレーションは、3月7日、国会内で緊急集会、記者会見を開いた。集会では、医師や看護師の増員と診療報酬の引き上げなどで過重労働の改善などを求めるアピールを採択した。

国会議員も多数駆け付けた集会のもよう

 

保団連・
住江会長
保団連・
武村副会長
保団連・
杉山理事

 厚労省は医師の働き方改革に関する検討会で、2024年4月から勤務医に適用される時間外労働の上限を原則年960時間、特例を年1,860時間とする案を示した。3月末までに省令で定める方針。全国保険医団体連合会(保団連)も参加するドクターズ・デモンストレーションは、3月7日、国会内で緊急集会、記者会見を開いた。集会では、医師や看護師の増員と診療報酬の引き上げなどで過重労働の改善などを求めるアピールを採択した。

 

医師ユニオン
代表・植山氏
勤務医・
大脇氏
過労死遺族
・中原氏
看護師・
森田氏

 集会には、医師、看護師、医学生、過労死医師の遺族ら70人が参加。医療現場の過酷な労働実態の改善と、最大で過労死ライン(時間外労働年960時間、月80時間)の2倍となる厚労省案の見直しなどを訴えた。

 

医師の自己犠牲で支えられている

 保団連の住江憲勇会長は、「厚労省は医師の自己犠牲的な長時間労働が日本の医療を支えていると認識しながら、医師増員による勤務医の過重労働解消という選択肢を除外している」と指摘。医師増員への転換と診療報酬手当てで医師の働き方改善が必要と訴えた。

 

法逸脱した時間外特例見直しを

 全国医師ユニオン代表 植山直人氏は、「過重労働は絶対的医師不足が根底にある。OECD平均に比べて12万人足りない」とし、労働基準法40条の2で「(労働時間の例外は)この法律で定める基準に近いものであって、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない」と定めていると指摘。厚労省案はこの条項に明らかに違反しており、国会審議で見直すよう求めた。

 

過重労働に「免罪符」危惧  

 病院勤務医の大脇為常氏(福岡協会)は、「救急病院の内科医として、厚労省の時間外特例が、救急現場の過重労働に法的な免罪符を与えかねないことを危惧する。勤務医の多くは、担当患者の緊急呼び出しがあり、現場を離れても常に緊張状態が続く」と強調。医師自身が心身ともに健康でなければ質の良い医療は提供できず、8時間交代勤務を前提に必要な医師数を確保すべきと呼び掛けた。

 

過労死を生み出さない時間規制を

 東京過労死を考える家族の会の中原のり子氏は、「小児科医だった夫が20年前、『馬車馬のように働かされている。病院に搾取されている』との言葉を残し、勤め先の病院屋上から投身自殺した」と話し、医療者を使い倒す働き方を見直すための時間規制を求めた。

 

慢性疲労では命・健康は守れない

 日本医労連中央執行委員長で看護師の森田しのぶ氏は、日本医労連が17年に実施した看護職員の労働実態調査を紹介。「慢性疲労・健康不安が70%、仕事を辞めたいが75%、切迫流産を3人に1人が経験」などの実態が明らかになったとし、「このままでは患者の命や健康は守れない。厚労省が医師不足を理由に看護師や多職種へのタスクシフトを提案しているが、抜本解決ではない」と語った。

 

地域医療確保のため改善が必要

 保団連の武村義人副会長は在宅医療に携わる医師も長時間労働や健康不安にさらされ、地域医療確保のために改善が必要と指摘。杉山正隆理事は、低医療費と医師抑制政策は同根であり、共同して医療改善をと訴えた。
この他、医学生が女子学生の医学部入試差別の解消を呼び掛けた。

以上