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2019年参議院選挙                        

消費税に頼らないいびつな歳入構造の見直しを

全国保険医団体連合会副会長 三浦 清春
全国保険医新聞2019年6月25日号より)

 

増税分は法人・所得減税の原資に

 国・財界は、この10月に消費税率を10%に引き上げるという。またぞろ財政再建と社会保障のためにという。今までその「成果」はどうであったのか。国民の生活・経済は低迷し、財政再建は遠のくばかりである。
 一方、医療・社会保障は連続改悪のオンパレードである。果たして消費税増収分はどこにいったのか。それは大企業を中心とした法人税減税や富裕層の所得税軽減の原資になっている。これではグローバル企業を中心とした新自由主義陣営の思うつぼではないか。
 その帰結が「格差・貧困社会」である。病気になっても病院にかかれない、受診しても中断する子どもや大人が増えている。ここからいかに脱却して、国民にとって住みよい豊かな日本を目指すのかは今度の参院選の極めて重要な争点である。
 国民生活の困難の打開には、これまで破壊されてきた税と社会保障が持つ所得再分配機能を取り戻すことが必要だ。そして逆進性が強く反福祉税ともいわれる消費税増税でなく、応能負担原則の立場から所得税・法人税の税率を正し、社会保障の財源を確保することが必要だ。いびつな歳入構造を見直すことが政治の大きな役割である。

 

応能負担原則で財源確保を

医療再建で国民は幸せに経済も元気に
医療への公的支出を増やす3つの提案
<基本の考え方>
大企業の税と保険料負担を増やして財源を創出する
@ 企業負担を増やして保険料収入を増やす
被用者保険の加入者を増やし、賃金を引き上げ
被用者保険の保険料率を10%に引き上げ
保険料は給与収入や所得に応じた負担に
A 先進7カ国並みに法人課税
課税ベースを消費税導入前(法人税率42%、法人事業税率11%)に
B 所得に応じた所得税課税
最高税率を消費税導入前の60%に。株式配当の分離課税を廃止し、総合所得課税に。資産所得課税の引き上げ。金融取引税を検討

 保団連はその立場から、2015年「医療再建で国民は幸せに、経済も元気に―医療への公的支出を増やす3つの提案」(表)を発表した。そもそも日本の医療・社会保障給付費は、ヨーロッパ諸国にくらべGDP比で約7%も少ない。額にして社会保障全体で32兆円、医療で約10兆円少ない。逆に言えばそれだけ増やしていける余地があるということである。その場合財源は、巨大な内部留保金をため込んでいる大企業に応分の税と保険料を求めていくことである。
 特に保険料収入を増やすには正規労働者を増やし賃金を上げることである。その際、医療機関など中小零細企業には、国庫補助も含めて軽減措置や診療報酬での十分な手当てが必要となる。
 大企業の法人税においては課税ベースを広げる、高額な研究開発減税などの数々の大企業優遇税制を改めることがポイントとなる。
 また、富裕層の所得税課税においては消費税導入前のように応能負担原則を強めることが重要である。例えば所得税最高税率を現在の45%から消費税導入年前の60%に戻す。
 株式配当等にかかわる低率の分離課税を廃止し総合累進課税にすることを提案している。
 応能負担原則で税収を見直し社会保障を拡充していく道は、厚労省も認めるように、雇用誘発効果や経済波及効果をもたらし、低迷する日本経済を活性化させる道でもある。

 

消費増税中止が野党の共通政策に

 5月29日、5野党・会派と市民連合が交わした共通政策に「生活を底上げする経済、社会保障制度を確立し、貧困・格差を解消すること」「2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること」が盛り込まれた。今度の参議院選挙で私たちが提言する財源論に賛同する議員が増えることを期待する。

以上