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シェア7%の歯科医療費 総枠拡大で充実を
歯科医療者、患者ら国会で集会

全国保険医新聞2019年6月25日号より)

 

国会議員の報告を聞く参加者

 

 歯科医療費を総枠拡大し歯科への正当な評価を―「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は「『保険でより良い歯科医療を求める』6.6歯科総決起集会」を国会で6月6日に開催した。保険医協会・医会、全国保険医団体連合会(保団連)の歯科医師をはじめ歯科医療者、患者ら350人が集まり、▽患者負担軽減▽保険のきく範囲拡大▽国の責任で歯科医療費充実―を求めた。

 

我々の正当な要求

開会あいさつする宇佐美氏

 開会あいさつした全国連絡会の宇佐美宏副会長(保団連歯科代表)は、「平成元年に10%あった総医療費に占める歯科のシェアは、30年たって7%に減少した。国による歯科医療軽視政策そのものだ」と指摘。「憤りを感じるのは私一人ではないと思う。歯科医療費の総枠拡大は、われわれの正当な要求であり、国民の願いだ。かつての『保険で良い入れ歯運動』のような国民的な大運動にしていきたい」と決意表明した。

 

歯科の危機打開を

 歯科技工士で全国連絡会の雨松真希人会長が基調報告した。
 雨松氏は「お口の健康を保つことが、全身の健康に大きく関係することは、広く国民に認識されている。『骨太方針2018』をはじめ、政府も歯科の重要性を強調してきている」と強調しつつ、一方で「『骨太方針2018』のいう『歯科口腔保健の充実と歯科保健医療の充実』を実現するに足る歯科医療費の伸びとはなっていない」と指摘した。

基調報告する雨松氏

 雨松氏はまた、歯科医療の現場では、「歯科医療にかかれない患者・国民の存在」「歯科医療機関の経営悪化と困難を抱える歯科医療従事者」という2つの「歯科医療の危機」が存在すると強調。「歯科医療の危機打開のためには、歯科医療費の総枠拡大と患者負担の軽減以外にない。本日の集会をその第一歩にしていこう」と訴えた。
 この他集会では、フロアから、患者や歯科技工士らが活発に発言した。京都歯科協会の平田高士副理事長らが集会アピールを提案。拍手で採択された。
 日本歯科医師会をはじめ24の医療関係団体などがメッセージを寄せた。国会議員は、自民、公明、立民、国民、共産の各党と無所属から52人の集会参加(秘書含む)やメッセージがあった。

 

350人が集まった集会のもよう 国会議員に署名を手渡した

 

保険でより良い歯科医療を
歯科技工料問題、子ども医療費助成拡充なども課題

 「『保険でより良い歯科医療を求める』6.6歯科総決起集会」(東京・国会で6月6日開催)でのフロア発言を紹介する。

 

橋本さん

これ以上の患者負担増はやめて
橋本広子さん(「保険で良い歯科医療を」大阪連絡会・全日本年金者組合大阪府本部)

 人生の最後まで自分の歯でしっかり噛んで食べたいというのは、高齢者の願いだ。だからこそ、「年金が減らされている中でこれ以上の医療費負担は年金生活者にこたえる」という声を汲み取ってほしい。

 

岸本さん

歯科技工士が誇りを持てるように
岸本隆太郎さん(コープくらしき歯科・歯科技工士)

 歯科技工士の合格者が年々減り続けている。新卒の歯科技工士の求人倍率は22倍で、多くの事業所が人材確保に苦慮している。また、離職率は7割を超えている。歯科技工士が働き続ける環境をつくっていきたい。

 

小尾さん

子どもの歯科矯正に保険適用拡大を
小尾直子さん(山梨・保険適用拡大を願う会)

 子どもが学校健診で、「歯列・咬合異常」で「要診断」と診断されてから、保険適用の拡大を求めてきた。学校歯科医会、文部省、厚労省などに要請を重ねてきた。今後も私ができることを一生懸命やっていきたい。

 

山田さん

不要な予算削り、歯科医療費拡大を
山田美香さん(静岡協会副理事長・歯科医師)

 歯科診療報酬を大幅に引き上げなければならない。政府が105機も購入しようとしているF35は一機156億円。歯科再診療を1点引き上げるのに31億円が必要。2機分で歯科再診料11点の引き上げが可能になる。要はお金の使い方だ。

 

瀬川さん

患者さんの経済的な困難
瀬川桂織さん(大田歯科・歯科衛生士)

 当院では、「家族が入院したために、入れ歯の支払いが困難になった」「在宅への往診回数を減らしてほしいと要望された」など経済的な理由での困難な事例があった。患者さんの窓口負担の軽減が必要と感じた。

 

香取さん

相談の8割が歯科の無料低額診療

香取三恵子さん(東京保健生協・組合員理事)

 発言にあたって、病院の相談室に現状を聞いた。相談の8割が歯科の無料低額診療だった。相談者の多くが、非正規で働いていて、社会保険に加入していない。受診に時間を割くと収入がなくなってしまう人たちだ。

 

西川さん

歯科技工問題の解決は政治の場で
西川勝美さん(「保険で良い歯科医療を」大阪連絡会・歯科技工士)

 歯科技工委託料は、おおむね「7対3」が目安と告示されている。厚労省は通達を出しただけで責任逃れはおかしい。国会議員には、政治の場で解決に向け取り組むことをお願いしたい。

 

寺崎さん

地域で横につながっていく
寺崎由郎さん(「保険でより良い歯科医療を」三重連絡会・全日本年金者組合三重県本部)

 三重県では連絡会ができて1年。オーラル・フレイルの勉強会を地域で取り組んできた。大きな団地で、老人会、民生委員などと一緒に学習会を開くことができた。私たちの運動は、地域で横につながることが大事だ。

 

杉目さん

「保険でより良い歯科」宮城の会発足へ
杉目博厚さん(宮城協会副理事長・歯科医師)

 秋には、宮城にも連絡会が発足する予定だ。震災後、被災者への窓口負担の免除がきっかけに、重症の患者が殺到し、経済的な理由で歯科受診できない方が大勢いることが明らかになった。その現実から目を背けるわけにはいかない。

 

以上