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消費税、憲法、生活苦―3大テーマが浮上
「苦しい」の声 減らす選挙に 経済ジャーナリスト・荻原博子

全国保険医新聞2019年7月15日号より)

 

 参院選で問われる争点について、経済ジャーナリストの荻原博子氏に寄稿してもらった。

 

経済ジャーナリスト・荻原博子氏

 今回の参議院選挙では、3つの大きなテーマが浮上しています。「消費税増税」、「憲法改正」、「生活苦への対処」です。

 

不公平な税制

 消費税は、収入の少ない人ほど打撃を被る逆進性の強い税金です。しかも、軽減税率もキヤッシュレスも、お金のある人に有利な対策です。なので、その他の多くの人は、増税で家計が冷え込むことが予想されます。
 消費税での税収は社会保障の充実に使われると言いますが、お金には色がないので、本当にそうなるのかは疑問。ほとんどは借金の穴埋めに回されることが予想されます。その借金の中には、米国の言いなりに買わされているオスプレイやミサイルの代金も含まれていて、社会保障だけに使われているとは言い難い。
 また、この間の法人税減税の経緯を見ると、「企業は減税、個人は増税」と、本当に公平な税の再分配が行われているのかという問題もあります。

 

改憲は不利益

 憲法改正については、安倍政権の悲願ですが、逆に私たちは、不利益を被ることが出てくるかもしれません。なぜなら、憲法改正は、実は私たちの生活に大きな影響を与えるからです。
 日本の憲法は、普通の法律とは異なり、国民が時の政権を監視し、国民を無視した横暴な政治ができないように縛るためにあります。
 ですから、たとえば、沖縄県の辺野古基地建設に対し、沖縄の民意が「NO」と言ったら、政府はその民意を尊重しなくてはなりません。それを無視することは、「民主主義」や「地方自治」を保障する日本国憲法に違反するからです。これを堂々と無視している実態に、131人の憲法研究者が連名で憲法違反だと抗議声明を出しました。
 ただし、安倍政権の望むように憲法改正がされたら、こうした政府の国民無視は批判しにくくなる可能性があります。

 

保険料上がって給料、年金下がる

 さらに、最も深刻なのは、「老後資金が2000万円不足する」という金融庁の報告書が火をつけた生活不安です。厚労省の調査では、高齢者世帯の半分以上が、「生活が苦しい」と感じています。児童のいる世帯などは、6割を超える人が「生活苦」を訴えています。
 消費税の増税だけでなく、社会保障面でも、健康保険料、年金保険料、介護保険料などここ数年でかなり値上がりしています。ところが、給料、年金は上がらないどころか下がっている。
 近年増えている国民の「苦しい」という声を、この選挙で少しでも減らしたいものです。

以上