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指導の改善 協会がサポート
保険医の人権守る取り組み

全国保険医新聞2019年9月5日号より)

 

 全国保険医団体連合会(保団連)、保険医協会・医会は、保険医の人権が守られる指導、監査の実現を目指してさまざまな取り組みを進めている。神奈川協会のシンポジウム、富山協会の医科個別指導対策研修会を紹介する。

 

神奈川協会では指導監査対策委員らが具体的事例の問題点を指摘した

「行き過ぎ」4事例を解説 ― 神奈川協会 シンポジウム開催

 神奈川協会の指導監査対策委員会は5月27日、第6回個別指導シンポジウムを開催。個別指導の際の▽自主返還▽指導中断▽カルテコピー▽監査ちらつかせ―の具体的事例について意見交換した。
 自主返還では、厚生局の「返還しないなら、しかるべき措置を検討する」との発言や、返還に対する診療中の督促の電話等の事例を紹介。委員会のメンバーである弁護士は、「当局は強制できないことが分かっているから自主返還という言葉を使う。強制でないと理解することが大切」とし、診療に支障をきたす督促にはしっかり抗議すべきと強調した。
 指導中断では、厚生局側が「疑義がある」の一点張りで中断した事例を紹介。委員の入澤彰仁氏は、持参資料がない場合や説明不十分な場合などに中断を限定している厚労省の内部マニュアルにすら逸脱した問題事例と指摘。弁護士からは、カルテとレセプトの突合せが厚生局の個別指導の基本のはずで、不正を疑ったとしても「中断」という対応は指導大綱や行政手続法を鑑みてもおかしいとの発言があった。
 カルテコピーでは、持参物不足での中断時にデジカメでカルテを撮影する事例を紹介。弁護士は、強制的ではないが保険医側にも落ち度があり断りにくい状況を作っていると指摘。原則カルテコピーは断るべきとした。
 監査ちらつかせ事例では厚生局の「本来は監査やむなしという事案だが、改善に向けて努力する意思があれば個別指導の範囲で納めることも検討する」との発言が紹介された。弁護士は、行政手続法には権限をちらつかせて従わせてはならない旨が記してあり、中断やカルテコピーを同意させることは大問題とした。(神奈川県保険医新聞6月15日号より)

 

富山協会主催の研修会には121人が参加した

カルテ記載が大切 ― 富山協会 研修会を実施

 富山協会は6月10日、「個別指導への心構えとカルテ記載の重要性」をテーマに医科個別指導対策研修会を開催した。
 第1部は、大阪協会事務局次長の上原哲朗氏が講演。厚生局による指導の仕組みや実際の流れを解説し、実施通知が届いてから慌てて対応するのではなく、保険診療のルールを理解し、日常的に誤りがないよう気を付けることが重要と述べた。
 第2部では、協会の平野誠副会長が、実際に県内の個別指導で指摘されている内容を紹介。毎年繰り返し指摘される傾向にある項目や自主返還の金額が高額になってしまうケースなど、特に注意が必要な事項を取り上げた。参加した池本雅仁理事の報告を紹介する。

 まず第1部では、個別指導に選定される要因について、医療機関従事者からの情報提供が重大な要素であることが衝撃的であった。また、実際の指導の場では適正かつ詳細なカルテ記載が求められていること、特に算定要件にカルテ記載を要する項目(点数)が最重要であることがよく分かった。
 第2部では、県内の指導の状況について、協会作成の資料を用いながら、実際の件数、指摘事項、通知書の現物、指導後の改善報告書の例なども含め具体的に示され、指導の実際についての理解が深まった。
 また、カルテ記載の具体例も示され大変参考になった。これらの理解を踏まえ、仮に実際の指導を受ける立場となった場合には、適切な対応の一助となると感じた。
 全体を通じて、指摘や疑義を受けないような適切な診療を行うこと、また、何よりも患者さんと医師自身のために診療内容をしっかりカルテに記載することが最も大切であると痛感した。加えて、自院のスタッフとの良好な関係を構築しておくことも非常に重要であると思った。(「とやま保険医新聞」7月15日号より)

以上