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20年改定で厚労省要請
診療報酬の改善医療現場から迫る

全国保険医新聞2019年9月5日号より)

 

 全国保険医団体連合会(保団連)は、医療の質と量を担保するためには医療技術の正当な評価と医療機関の経営基盤の安定が不可欠として、20年改定では10%以上の引き上げを求めている。8月8日には厚労省に対し、医科、歯科の代表が診療報酬改善を訴えた。

 

医科 ― 十分な周知期間の確保を
医科診療報酬改定に向けた厚労省との要請に臨む住江会長(奥左)、武田浩一医科社保・審査対策部長(奥左から2番目)

 医科診療報酬改定に向けた要請では、周知期間の確保や特定疾患療養管理料の対象拡大、在宅患者訪問診療料の算定制限撤廃などを求めた。

 住江憲勇会長は改定の周知期間について、「わずか数日から10日程度で改定の内容を理解することは困難で、指導、監査につながっている。これほどの短期間で施行する例は、他業界にはない。保険診療を正しく理解するための期間を確保してほしい」と強く要望した。
 また、特定疾患療養管理料の婦人科、整形外科、泌尿器科、眼科などへの対象拡大を求めた。その中で、婦人科では通院する腎尿路生殖器系疾患などの慢性疾患患者に同管理料が算定できないのは不合理とする会員の声を伝えた。
 在宅患者訪問診療料の算定回数制限は、複数医療機関から訪問診療する場合などに影響が出ることから撤廃すべきと求めた。大阪協会による会員アンケートでは、「月何回までの算定なら十分か」との質問に「算定制限なし」との回答が52%に上っている。

 

維持期リハ廃止撤回あらためて求める

 要介護者・要支援者の入院外患者に対する維持期リハビリについては、2019年3月の制度廃止以降各所で「リハビリ難民」の急増が懸念されている。
 要請では、廃止の撤回、必要なリハビリの医療保険での実施などを要望した。厚労省側は、「必要な方に必要なリハビリが行えるよう引き続き考えていく」と述べた。
 入院関連では、療養病棟の入院基本料や管理栄養士の配置義務、データ提出加算など、医療法標準でないものを基本的な点数の基礎とすることはやめるべきと求めた。

 

歯科 ― 施設基準は実情踏まえて
歯科診療報酬改定に向けて要請する新井良一歯科社保・審査対策部長(右)と田辺隆副会長(左)

 歯科診療報酬改定に向けた要請では、歯科医療の現状を示しながら、届出医療の改善、補綴治療の技術料引き上げなどを求めた。

 要請ではまず、増加している届出医療の問題点を取り上げた。
 かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所に関して、医療連携や多職種連携を重視した機能評価として抜本的に見直し、施設基準と関連付けされた初期う蝕と歯周病安定期治療(SPT)を個別点数項目として再編するよう求めた。また、たとえば小児歯科では施設基準要件にあるSPTの算定実績を満たすのが困難など現場の実情を強調した。歯科衛生士の配置が要件化されている施設基準は、雇用状況の地域格差等を考慮した基準にするとともに、衛生士による処置等個別技術の評価を求めた。歯初診については、院内感染防止対策に係る施設基準を廃止したうえで、歯科医療機関で十分な対策が取れる初・再診料とすることを求めた。

 

補綴治療の評価を

 口腔機能の維持・回復に重要な補綴治療に関して、補綴関連点数の評価が低いとの現場の声を紹介し、診断料や印象採得等のチェアサイドの技術料と補綴本体点数の大幅な引き上げを求めた。歯科技工士を取り巻く窮状にも触れ、診療報酬の引き上げが解決に向けた条件と強調した。
 その他、麻酔手技料・薬剤料、手術と同日実施の処置が算定できない不合理の改善、金パラ合金の価格高騰に係る対応等について意見交換した。
 対応した保険局医療課課長補佐の高田淳子氏は、国民と医療関係者双方が納得できる改定を目指すとした。

以上