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特養あずみの里、 利用者死亡で准看護師有罪
弁護団が控訴 「介護成り立たない」

全国保険医新聞2019年9月15日号より)

 


【上】控訴趣意書提出前に弁護団が行った記者会見の模様。住江会長(右端)も同席した。【下】「無罪を勝ち取る会」の署名提出アピールの様子

保団連「無罪求め支援する」

 長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で2013年12月に入所者の女性(当時85歳)がおやつのドーナツを食べた直後に気を失い約1カ月後に亡くなった事件で、食事介助にあたった准看護師(59)が業務上過失致死の罪で有罪(罰金20万円)とされた。この問題で、被告人の弁護団は8月30日、東京高裁に一審判決を批判する控訴趣意書を提出した。22日に行われた記者会見では保団連の住江憲勇会長も同席し、無罪判決を求めて裁判を支援すると表明した。
 一審では、死亡した女性には嚥下障害はなく、食事介助に特段の注意が必要であったとは認められなかったが、ドーナツからゼリーへのおやつの変更確認を怠り、女性がドーナツを喉に詰まらせて窒息したとして有罪となった。弁護団は、死因が脳梗塞や心疾患など別疾患の可能性があったなどと指摘している。
 弁護団長の木嶋日出夫弁護士は会見で、「亡くなった女性の家族と施設との間で示談が成立しているのに捜査が続行され、送検・起訴となったのはあり得ないことだ。介護では入浴、排泄そして食事中に転倒などの異変が起きることが多いが、今回のような事例で有罪になっていたのでは日本では介護は成り立たない」と一審判決を批判した。
 保団連の住江会長は会見で「保団連としても無罪を求めて裁判を支援する。今のところ長野・東京・埼玉の各協会が組織として支援している。早急に全国的な支援のため署名活動等に取り組んでいきたい」と述べた。
 同裁判は医療・介護施設関係者の注目を集めており、准看護師の支援団体「無罪を勝ち取る会」は無罪を求める署名44万5,532筆を、一審判決が出た3月までに裁判所に提出している。

 


「要員不足」特養7割 年々悪化、受け入れ制限も

 独立行政法人「福祉医療機構」は8月21日、全国の特別養護老人ホームを対象に行った介護人材に関するアンケート調査の結果を公表した。
 回答した施設の72.9%が要員が「不足している」と答えた。1施設平均では3.75人の不足、で不足の職種は「介護職員」(99.0%)、「看護職員」(32.6%)だった。要員不足は前年度調査で64.3%、前々年度は46.9%と年々悪化している。
 特養本体や併設施設で利用者受け入れを制限している施設は12.9%。受け入れ制限をしている特養本体での平均利用率は82.2%で、平均13.9床が稼働できていない。要員不足が利用者の受け入れにも影響を与えていることが分かった。
 要員確保が困難な理由として、57.7%が賃金水準を挙げた。
 介護職員の処遇改善や求められる介護サービスの質と量を向上させるためには介護報酬の引き上げが必要だ。

以上