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歯科医療費の総枠拡大を 署名23万6,000筆を提出
与野党の国会議員へ

全国保険医新聞2019年12月15日号より)

 

 全国保険医団体連合会(保団連)も加わる「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は11月28日、国会内で請願署名提出集会を開催。全国の医師・歯科医師ら230人が参加した。4月から取り組んだ「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」23万6,638筆を、「子どもの歯科矯正に保険適用の拡充を求める請願署名」8万1,417筆とともに国会議員らに提出した。集会では、取り組みの広がりの報告、歯科医療の実態への懸念の声が相次いだ。

 

国会議員(右列)に署名を提出する
保団連からの集会参加者ら
写真右:集会でメッセージを読み上げる宇佐美歯科代表。写真左:基調報告する連絡会の雨松会長
歯科医療費の増額を求め全国から230人が参加した

 署名の要請項目は▽歯科診療報酬の大幅引き上げ▽保険範囲の拡大▽患者負担の軽減―の3点。集会に出席した与野党あわせて23人の国会議員に提出した。
 開会あいさつで、「保険で良い歯科医療を」全国連絡会副会長の岩下明夫氏は、「署名はまだまだ広がる」「社会保障費を大きく増やせと強く訴えていこう」と呼び掛けた。

 

患者からも署名歓迎の動き

 全国連絡会の雨松真希人会長(歯科技工士)が基調報告し、「患者さんと歯科医療従事者が手をとりあって、歯科医療費の総枠拡大実現を」と訴えた。
 今回の署名の取り組みの中で歯科医療機関から、「歯科医療従事者の働く環境を良くするには総枠拡大しかない」などの声が寄せられたと紹介。患者からの声として「保険がきかない部分が多い」「窓口負担が高くて歯科医院に足が向かない」「矯正治療が保険でできたらよい」など署名の取り組みが歓迎されていることを報告した。
 また雨松氏は、医療費全体に占める歯科の割合は、依然として7%以内にとどまっていると指摘。1992年当時の9・2%に引き上げれば、保険給付範囲の拡大、歯科診療所の経営の安定、歯科技工士の待遇改善や、歯科衛生士の就労環境改善が可能になると強調した。併せて患者窓口負担の軽減を求め、経済的理由で歯科治療を受けられない人をなくしていこう、と訴えた。

 

署名の取り組みを力に

 集会では、保団連の宇佐美宏歯科代表が、千葉県技工士会の内山昌夫会長と国会議員8人のメッセージを読み上げた。
 兵庫協会の白岩一心理事は、発足から10周年を迎えた兵庫連絡会の取り組みを紹介。鳥取協会の小徳省三副理事長は、高齢化が進む歯科技工士の実態に懸念を示した。三重協会の梅村忠司副会長は、実態を無視した歯科医療政策を批判した。
 閉会あいさつで医療福祉生協連専務理事の片山忍氏は、「いつでも安心して利用できる歯科医療の環境を整えることが何よりも大事」と強調。今回の署名の取り組みを、要求実現に向けた力にしていこうと訴えた。

 

市民とともに取り組みを―「保険で良い歯科」集会参加者の声

 「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が開催した国会内集会での参加者の発言を紹介する。

 

 歯科衛生士の平良牧子氏(沖縄)は、治療中断や、治療にかかる費用や時間を気にする患者が増えていると紹介。また歯科医療従事者の労働が適正に評価されていないと、歯科診療報酬の引き上げを訴えた。
 「保険適用拡大を願う会」の小尾直子氏(山梨)は、40歳の若さで今年9月に逝去した故・宮川典子衆院議員が、子どもの歯科矯正への保険適用の実現に向け、最後まで取り組みを後押ししていたと述べた。
 歯科技工士の西川勝美氏(大阪)は、長時間労働や、低賃金など技工士をめぐる問題を厚労省が放置しているのは「無責任」と批判した。
 兵庫協会の白岩一心理事は、発足10周年を迎えた兵庫連絡会の取り組みを紹介。協会が開いた健康フェスティバルで、3時間の間に600人以上が立ち寄り、160筆の署名が集まったことを報告し、「市民と共に運動していくことが大切だと実感した」と強調した。
 鳥取協会の小徳省三副理事長は、歯科技工士の高齢化が進んでおり、このままでは歯科技工士がいなくなると指摘。「7対3」問題で厚労省要請を行ったが、厚労省の回答は相変わらず明確ではなかったとして、国民に実態を知らせていく必要性を強調した。
 三重協会の梅村忠司副会長は、この間の歯科医療政策について「厚生労働省は歯科医師を軽視している」と厳しく批判。医科と異なる歯科従事者の実態を、財務省、厚労省にしっかり把握してもらう必要があると強調し、引き続きの取り組みを訴えた。

以上