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地域医療活動交流集会、HPVワクチン問題でシンポ
患者も医院も孤立させない 診療体制の構築が必要

全国保険医新聞2019年12月25日号より)

 

 保団連は11月24日に都内で地域医療活動交流集会を開催し、30協会から70人が参加した。交流会では、基調報告と6協会から地域医療の取り組みが紹介された。また、「HPVワクチンをめぐる現状と課題」をテーマにシンポジウムを開催し、同問題への認識を深めた。最後に患者負担軽減と診療報酬引き上げを求めるアピールを採択した。

 

 HPVワクチンをめぐるシンポでは、JR東京総合病院前副院長の奥山伸彦氏とジャーナリストの斎藤貴男氏がパネリストとして登壇した。

 

ワクチン接種後の痛み軽減例も

JR東京総合病院前副院長の奥山氏
JR東京総合病院前副院長の奥山氏

 小児科医の奥山氏は、HPVワクチン接種後に発生した慢性疼痛と機能性身体症状について、ワクチン接種がきっかけとなったことは否定できないが、接種歴のない子どもも発症していると発言した。さらに奥山氏は、患者はさまざまな医療機関で診察してもらっても身体的異常がないため、詐病扱いを受け症状以外でも苦しんでいる、運動や日常生活を制限することは逆効果で、認知行動療法・運動療法・薬物療法によって痛みが軽減していると紹介した。患者も医療機関も孤立させない診療体制の構築が必要だと訴えた。

 

国が実態調査を

 斎藤氏は、自身の子どもが血液型不適合で生まれたため一部ワクチンの接種を医師から止められたが、そのような中でもワクチンを推奨してくる国に対し疑問を持ったことをきっかけにワクチン問題を取材するようになったと説明。斎藤氏はすべてのワクチンの有用性を否定しているわけではないと断った上で、「多くの少女と母親がHPVワクチンの副作用で苦しんでおり、WHOが推奨しているから良しとすべきではない。HPVワクチン推進の背景にはメガファーマの圧力があった」とし、メガファーマが潤えばいいといった新自由主義的な考えが背景にあるのではないかと批判し、国としてHPVワクチン副反応の実態を調査すべきだと訴えた。
 参加者からは、患者の紹介先や、副反応の原因はアジュバンドなのかといった疑問が出された。最後に奥山氏は患者に寄り添う意義を強調し、斎藤氏は、利益追求の新自由主義的なワクチンメーカーのあり方を正す必要があると述べた。地域医療対策部は、今回のシンポジウムを踏まえてHPVワクチン問題への対応を検討する。

 

各地の取り組み交流

 その他、中島幸裕地域医療対策部長が「地域医療をめぐる情勢と取り組み」をテーマに基調報告した。各地の取り組みとして宮城協会は「地域包括ケアシステムと医師・歯科医師の役割」、千葉協会は「医科歯科連携手帳を用いた糖尿病・歯周病連携の取り組み、意義、課題」、石川協会は「福祉マップで福祉アップ」、長野協会は「妊産婦医療費助成制度等を求める活動」、三重協会は「『保険で良い歯科医療を』三重連絡会 結成の歩みと取り組み」、福岡歯科協会は「日雇い労働者の方々への歯科相談の取り組み」をそれぞれ報告した。
 集会では「必要な医療が受けられるために、患者負担軽減を実施するとともに、診療報酬の大幅引き上げを求める決議」を採択し、安倍首相と加藤厚生労働大臣はじめ、マスコミに送付した。

以上