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あの日から25年―阪神・淡路大震災メモリアル
集会で復興の成果と課題を交流

全国保険医新聞2020年2月15日号より)

 

 6,434人が犠牲になった阪神・淡路大震災から25年を迎えた1月17日、兵庫県内各所で追悼の催しが行われた。兵庫協会が参加する阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議が神戸市内で開催したメモリアル集会にも被災者ら230人が参加。「私有財産に公的資金は使えない」とされて住宅再建への公的支援がなかった被災当時の状況から被災者生活再建支援金として最大300万円の支給を勝ち取るなど復興施策を充実させてきた運動の成果や、復興借り上げ住宅からの被災者追い出しなど現在も残る課題を共有した。

 

被災者に寄り添う復興を

参加者は資料に目を落としながら熱心に報告を聞いた

 「阪神・淡路大震災25年メモリアル集会」では、被災者、労働、自営業、医療など各分野から報告があり、復興施策を充実させてきた運動の成果などを確認した。参加者は、人々のつながりを最優先にしながら国の責任で暮らしと生業を再建することなどを求めるアピールを採択した。

 

国が被災者支援に責任を

復興における国の責任を
強調する住江会長

 保団連の住江憲勇会長(全国災対連代表委員)はあいさつで、@借り受けた災害援護資金の返済A復興借り上げ住宅からの追い出しBコミュニティー崩壊による孤独死―の問題が現在も被災者を苦しめていると指摘した。
 住江会長はその上で、「懸命に努力する被災者に寄り添った復興のため、国が財政などの責任をもって、被災者生活再建支援金を500万円に引き上げ、生業に必要な施設・設備も支給対象とすることなどが必要だ」と強調した。

 

公的支援充実勝ち取った

 復興兵庫県民会議事務局長の岩田伸彦氏は基調報告で25年間の復興支援の取り組みを振り返り、住宅再建への公的資金援助などを定めた被災者生活再建支援法を成立させ、貸付制度である災害援護資金の返済免除や生活実態に合わせた少額返済を実現してきた成果を紹介した。

 

住居守る支援を

 復興借り上げ住宅から被災者を追い出す訴訟を神戸市と西宮市が起こしている問題で、ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会運営委員の段野太一氏は、公営住宅法が定める入居期限の事前通知が入居者にされておらず追い出しに法的根拠がないなどとして批判。被災者の住居を守る支援を呼び掛けた。

 

尊厳もって生きられる社会に

 震災被災者ネットワーク代表の安田秋成氏は、被災直後の混乱状況で地域コミュニティーが人命救助に生きた経験を紹介。避難や転居で地域のつながりが絶たれ、生活の質の低下や孤独死、自殺などが生じていると指摘し、被災者が尊厳をもって生きられる社会になってほしいと訴えた。

 

公立・公的病院の役割守れ

 兵庫協会事務局の角屋洋光氏が、被災しながらも地域医療に尽力した会員医療機関の奮闘を振り返った。一方、災害時に役割を果たすべき公立病院である神戸中央市民病院などが機能不全に陥った事例を紹介。公立・公的病院の統廃合を進める地域医療構想に触れて、住民のそばに公立・公的病院がある重要性を国は理解しておらず、震災の経験を教訓にできていないと批判した。

以上