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通知が届いたら協会・医会へ
指導の対策全面サポート

全国保険医新聞2020年3月5日号より)

 

 保険医に対する指導は、「保険診療の取扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底することを主眼とし、懇切丁寧に行う」(指導大綱)ものとされている。しかし実際には、指導医療官による恫喝まがいの発言や、「自主返還」の強要と言えるケースなどが少なくない。全国保険医団体連合会(保団連)と全国の保険医協会・医会は、このような指導は保険医の人権侵害にあたるとともに、患者が受ける医療の範囲の制限や質の低下をもたらすという観点から、指導の改善を目指して取り組みを続けてきた。

 

「想定問答で動揺せず」 ―新規指導対策

 開業後おおよそ6カ月から1年を経過した後に行われる新規個別指導は 教育目的とされているが、請求の間違いやカルテ記載の不備がある場合には、自主返還の対象とされる場合もある。各協会・医会では新規個別指導に備えた講習会を開催するとともに、実施通知が届いた後には個別に持参物やカルテ記載を点検し、アドバイスしている。
 開業と同時に入会した会員からは、新規個別指導の通知が届いた後に、協会の担当者からクリニックで2時間にわたってアドバイスを受け、「涙が出るほどありがたかった」「想定問答で答えを用意していたので動揺せずに切り抜けた」と感謝の声が届いている。

 

カルテ記載、模擬指導 ―日常的に講習会を開催

 協会・医会では日頃から個別指導対策の講習会を開催して、カルテの書き方や過去の指摘事項を学ぶ場を提供しており、模擬個別指導を行う場合もある。
 福岡協会が開催した昨年12月の講習会では、協会の医療保険対策部長が、「各種医学管理料は算定要件を満たすカルテ記載がなければ自主返還となるため、記載の要件を確認すること」などと過去の事例に基づいて話し、また、電子カルテ運用時の注意点を挙げた。 
 佐賀協会では、県内の歯科の審査・指導の現状を報告し、対応を学ぶ講習会を12月に開催。カルテ記載に関して「傷病名欄に病名漏れがないか(日付・転帰も記載)」「診療行為順のカルテ記載」「図説記載」など、日頃の診療に関する事項を遅滞なく記載する重要性が強調された。
 また、青森協会では、昨年12月に、東北厚生局の歯科指導医療官を講師とする学習会が開催された。

 

事前相談で不安解消 弁護士帯同も広がる

 各協会・医会では指導の対象となった会員の事前相談を受け付け、できる限り不安を解消できるようサポートしている。
 公正な指導環境を作るため、弁護士帯同の取り組みも進めている。帯同する弁護士は、指導医療官が医師・歯科医師を誤導するような質問等をした場合に、その意図を明らかにさせるなどの役割がある。自主返還を求められた内容に対して、法的根拠がないとして撤回させた事例もある。「弁護士が隣にいてくれるだけで心強い」「指導医療官の態度が全く違った」等の声があがっている。
 大阪協会、大阪歯科協会では、2015年に帯同弁護士団が結成された。5人の弁護士が、▽個別指導および監査の帯同▽指導・監査に関する法的問題の研究―を目的に活動している。   

 

保険医の声を厚労省へ 高点数選定基準の廃止求める

 保団連は指導の改善を求め、厚労省要請を続けてきた。昨年12月の要請では、指導への行政手続法の適用につき初めて厚労省と見解が一致。指導における高点数選定基準の廃止、指導医療官らの資質向上なども求めた。
 近畿ブロックは10月の近畿厚生局要請で、会員から寄せられた事務官による侮辱的な暴言の事例を示し、改善を迫った。

以上