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休業保障ご利用下さい
ケガや病気に備える コロナ禍で申し込み増

全国保険医新聞2020年9月5日号より)

 

 いつ起こるかわからないケガや病気による休業に備える休業保障制度。コロナ禍の下、申し込みも増えている。保団連共済部の森明彦部長(休保共済会専務理事)に最近の加入状況を聞く。

 

―新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、保団連・保険医協会の休業保障制度への申し込みが増えているそうですね。

森共済部長
 

  7月末に加入最終審査を終えた2020年8月1日加入では、683人(3,081口)の申し込みをいただきました。これは、2013年の募集再開以降2番目に多い申込数となります。
 新型コロナウイルス感染症の流行の中、感染リスクを負いながらも感染者の治療や地域医療の継続を担っている保険医が、休業リスクを改めて感じた結果であると考えています。

―どのような会員が申し込みをされていますか。

  保団連・保険医協会の休業保障制度は、加入資格が60歳未満です。年齢層別でいうと30歳代以下が23%、40歳代が44%、50歳代が33%となっており、これは例年と大きく変わりません(図)。
 加入にあたり健康告知による審査がありますので、年齢が高くなるほど、審査で不可となる可能性も高くなります。若いうちは、病気で休業することは想像しにくいかもしれませんが、開業したら休業保障制度に加入することをぜひ検討していただきたいですね。
 また今回は、協会・医会の会員で、まだ休業保障制度に入っていなかった方からの問い合わせをこれまで以上に多くいただきました。今後、まだ協会・医会の会員になっていない保険医にも、入会して、この制度を利用いただけるよう取り組みを強めていきたいと思っています。

 

関心高まる休業保障 長い保険医人生見据えて

―新型コロナウイルス感染症の流行によって、休業保障制度の関心が高まっているということですが、実際に給付例はあるのでしょうか

  新型コロナウイルス感染症やその疑いの病名での給付請求は、5月以降毎月あります。会員・加入者が感染リスクを負いながら仕事をされているということがよくわかります(表)。
3月から4月初旬に休業された方では、「受診を試みるも、発熱を理由に来院を断られた」、「微熱と全身倦怠感で複数の診療所に連絡したが、高熱ではないからと受診を断られ、高熱になったら保健所へ連絡するよう指示された」など、体調が悪くてもなかなか受診できない状況が伺われました。それらの事例の中には、数日で急速に症状が悪化した方もいらっしゃいました。
また、PCR検査が陰性で一旦は復業したものの、すぐに体調を崩し、再度検査をしたところ陽性判定され再休業したという事例もありました。

 

新型コロナ「疑い」での給付事例も

―結果的に、新型コロナウイルス感染症に罹患していなかったとしても給付対象になるのですか。
 森 この制度は、加入者が傷病で休業した時に備える制度です。制度上、休業と認定されるためには、第三者の医師が休業を必要と証明していることが必要です。新型コロナウイルス感染症を疑って休業し、感染していなかった場合でも、第三者の医師が「新型コロナウイルス感染症の疑い」などの病名で、休業が必要であることを証明していれば、約款上のルールに則って給付します。
実際、「初診で診察した患者が、数日後陽性と判明」「救急搬送された患者が陽性であることが判明」などのケースでは、幸い加入者本人は感染しなかったものの、濃厚接触者として、休業せざるを得なかったというような給付事例があります。件数でいえば、疑い病名の方が多くなっています。

 

勤務医、開業医問わず給付事例あり

―新型コロナウイルス感染症やその疑いで休業されるのは勤務医が多いのでしょうか。

  休保加入者のなかで、休業し、第三者の医師に受診し、請求のあった事例を把握しているだけですので、全体像はわかりません。しかし、勤務医、開業医を問わず傷病休業給付金の請求事例はあります。
 新型コロナウイルス感染症に対応している医療機関もそれ以外の医療機関も、医療現場は感染リスクを負いながら地域医療を守っているということだと思います。

―現在は、2020年12月1日加入(9月14日まで)、とそれに続く2021年4月1日加入の申し込み受付中ですね。

  加入日や保障開始日がだいぶ先になるので、直近の新型コロナウイルス感染リスクだけをみると、加入申込を躊躇されるかもしれません。しかし、長い保険医人生を見通して今一度休業リスクを考えることをお勧めしたいのです。
 保団連・保険医協会の休業保障制度の掛金は、満期までの加入期間中、ずっと同額です。掛金額は加入(増口)時の年齢によって決まります。加入時の年齢が若いほど掛け金は低く設定されています。若い時に加入したら、その時の掛金額で満期まで加入できます。

―その他、加入審査を通じて特徴などは。

  申し込みの際、直近2年以内の検診の状況を告知いただいていますが、検診を受けていない方が一定割合いることが気になります。
 今回(2020年8月1日加入)の申し込みでは、約75%の方が検診の受診ありということでした。一般の検診受診率は70%程度です。
 開業・勤務、医科・医科別にみると、医科勤務医が最も高く(職場検診ということもあると思いますが)、88%が受診ありです。一方開業医はこれより低く、医科歯科とも70%台です。自営業ということもあり、受診しにくい状況があるのではないかと思います。(図)
 さらに、医科・歯科別でみると、開業医・勤務医とも歯科の検診受診が低い傾向にあります。歯科医療を取り巻く状況が非常に厳しいことの反映でもあると思います。しかし、医師・歯科医師が健康であってこそ、地域医療も守ることができます。検診受診の問題は医科歯科連携の課題にもなるのではないでしょうか。

 

医師・歯科医師の運動で作ってきた

―この休業保障の仕組みは、運動によって守られたものですね

  これは保障期間が長期の制度だから可能な仕組みです。2005年に保険業法が改悪され、この制度の存続が危ぶまれる状況となりました。この時の検討で、保険業法の下では、掛金が年齢ともに上がらない制度や商品を作るのは難しいという結論でした。その後の運動によって保険業法を変え、2005年当時存在していた共済制度だけが、同じ制度内容で再開できることになったのです。運動によって守られたメリットをより多くの会員に活用していただきたいと思います。
 休業保障制度は約款等に基づき運営をしていますので、加入審査により加入いただけなかった方、年齢によって申し込めなかった方もいらっしゃいます。給付でも第三者の医師に受診せず感染防止のため自主的に休業されて請求できなかった方もいらっしゃると思います。
 制度の運営と合わせて、これまでの運動の経験も活かし、保団連として、全ての医療機関への新型コロナ禍による医業経営の損失への補償を求めていくことも同時に重要であると考えています。

以上

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