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受診抑制で健康悪化、医院経営にも影響深刻
新型コロナ感染拡大の影響に関する医療機関アンケート結果

全国保険医新聞2020年9月5日号より)

 

  保団連ではコロナ感染拡大による医療機関への影響について、各地の保険医協会を通じてアンケート調査を実施した。4月診療分について約1万件、5月診療分について約6,600件の回答が寄せられた(結果の詳細はこちらから)。アンケート調査を通じて、医療機関の著しい患者減と保険診療収入減や、受診控えによる健康への悪影響が起きていることが分かった。

 

「財政措置で医療を立て直せ」

 4月、5月の外来患者数は、9割の医療機関(医科・歯科)で、前年同月と比べて減少。8割の医療機関では保険診療収入も減少した。
 医科では2割の医療機関(5月分)、歯科では3割弱の医療機関(同)で、30%以上保険診療収入が減少した。
 アンケートには、「今のままの状況が続くと、もたない」「閉院も考える」など、患者減・収入減による苦境を訴える声も寄せられた。
 患者とスタッフの感染防止に最大の注意を払いながら、日常診療を継続している医療機関の立て直しが必要だ。
 日本医師会など他の医療関係団体も相次ぎ医療機関の経営状況を公表。今後のさらなる感染拡大に対応するためにも、「すべての医療機関への財政措置の実施」「医療を立て直せ」は医療界の共通の声となっている。これらの声は、2次補正予算での医療機関支援策に反映されてきたが、十分ではない。引き続き、医療現場の実態に即した取り組みが必要だ。

受診抑制の影響
(アンケートから要約)

1月に腫瘤を自覚。4カ月後に受診したら「舌がん」と診断
緑内障治療中だったが、眼圧上昇の発見が遅れ、失明
コロナで半年ほど受診できず、診療時には進行乳がんの状況に
口腔ケアの低下で、歯周病の悪化が増えている
重症化で抜歯ケースが増加
解雇されたため歯科受診をキャンセル。痛みを数カ月がまんし、口腔内が悪化
通院・デイサービスを控え、高齢者の身体機能と認知能力が低下

 

患者の健康悪化 厚労省も動き出す

 アンケートでは、受診控えによる健康状況の悪化も明らかになった。
 コロナ感染拡大の下で受診を抑制した結果、がんや心不全の進行、重症化の事例や、検査の延期、服薬の中断によって心疾患、糖尿病などの病状が悪化する事例が多く寄せられている。高齢者は、外出控えによるADL低下、認知症の進行の例も目立つ。
 歯科では口腔状態の急速な悪化や、子どもの虫歯が増える傾向などが指摘されている。
 保険医協会では地元の新聞・マスコミ等を通じて、地域の患者さんに必要な受診を促す広報に取り組んでいる。テレビCMを放映している協会もある。
 保団連は厚労省に対して、受診、予防接種、健診を政府として国民に呼び掛けるよう要請。厚労省は8月下旬、ホームページや政府広報を通じて、必要な受診の周知に向けて動きだした。都道府県に対しても周知するよう、通知を発している。

以上

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