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安倍政権の7年間をどうみるか 保団連・住江会長に聞く
社会保障費削減、格差と貧困拡大、消費税増税…

全国保険医新聞2020年9月15日号より)

 

 安倍首相は8月28日、持病を理由として辞任を表明した。2012年12月に発足後、憲政史上最長の7年8カ月続いた第2次安倍政権をどう評価するか。保団連の住江憲勇会長(写真)に聞いた。

 

―安倍首相は8月28日に、突然の辞任を表明しました。

 6月17日に通常国会が閉幕してからも、国民からは、新型コロナ対策のための国会の開会、首相の関与が疑われた数々の疑惑―選挙買収容疑で逮捕された河井克行前法相・案里夫妻への自民党本部からの資金提供、「桜を見る会」への個人後援会員の招待などの真相究明を求める声が相次ぎました。
 今回の辞任は、これらの国民の声に首相が答えることができず、追い詰められた結果という側面もあると思います。

 

―新型コロナ対策の遅れや混迷によって、辞任直前の安倍政権の支持率は3割台に低下していました。

 安倍政権は新型コロナの感染拡大に対して、何ら有効な政策を打ち出すことができていません。
 2月末の突然の一斉休校要請で教育現場は混乱し、国民全員への布マスク配布は税金の無駄と批判を受けました。感染拡大防止に不可欠な十分な検査体制の整備はなかなか進まず、緊急事態宣言などの「自粛」要請は補償が十分でないために効果は限定的です。
 なにより、感染拡大に伴う医療機関の深刻な減収への支援がまったく不十分です。第二次補正予算で盛り込まれた医療機関への補助金や慰労金は、手続きが複雑で支給が遅れ、混乱を招いています。

 

社会保障の所得再分配機能を破壊

―安倍政権の下では、社会保障の改悪が相次ぎました。

 安倍政権は社会保障費の自然増を抑制し、診療報酬を消費税対応を除いて4回連続でマイナス改定しました。
 70〜74歳の窓口負担を2割化し、入院時食費の患者負担の引き上げ、高額療養費の負担上限引き上げなど患者負担増を進め、受診抑制の原因となりました。国保料引き上げにつながる国保の都道府県単位化、後期高齢者医療制度の保険料軽減措置の廃止なども行いました。
 さらに安倍政権の下では、株価が上昇し企業の内部留保が500兆円近くに膨らんだ一方で、実質賃金が低下、非正規労働者の割合も上昇し、格差と貧困が広がりました。2回にわたる消費税増税は、家計の消費支出を大幅に減少させ、経済に決定的な悪影響を与えました。
 社会保障の所得再分配機能を破壊し、富を大企業に独占させ、国民を貧困に陥らせてきたのが安倍政権の本質です。

 

―近いうちに総選挙があるともいわれています。

 安倍首相は、「森友・加計」疑惑では国会での虚偽答弁、公文書の改ざん・隠ぺいなど国政を私物化し、国民の反対を押し切って集団的自衛権の行使を容認する安保関連法を強行成立させるなど、立憲主義、民主主義も破壊しました。
 このような安倍政治の継承では、日本の政治も社会保障も良くなりません。立憲主義、民主主義を取り戻し、医療・社会保障を抜本的に充実させるとともに、安定した雇用と賃金の確保で、格差・貧困を解消することが急務です。大企業や富裕層に応分の負担を求め、消費税に依存しない財政構造を確立する、新しい政治が必要です。

以上

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