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現場の奮闘支えよ ドクターズデモ コロナ禍実態知らせるシンポ

全国保険医新聞2020年10月15日号より)

シンポジウム会場の様子。右から植山氏、岡村氏、山崎氏、杉山氏、寺園氏。平田氏はウェブを通じて参加した

 保団連も参加するドクターズ・デモンストレーションは、新型コロナウイルス感染拡大下での医療、介護の実態を知らせるシンポジウムを9月26日、東京都内で開催した。勤務医、病院長、医科・歯科開業医、看護師らが現場の状況を報告し、日本の低医療費政策による社会保障の脆弱さがコロナ禍での現場のさらなる逼迫につながったことが明らかになった。その上で、地域医療を守るために医療機関への減収補填などの緊急対策と併せて、医療・社会保障充実策への転換を訴えた。ウェブでの参加を含め62人が集まった。

 

診療所の実態などを訴えた保団連役員。上から山崎理事、杉山理事、住江会長

 全国医師ユニオン代表の植山直人氏は、全国医師ユニオンのアンケートを基に感染拡大当初の様子を「9割超の医師が院内感染について不安や問題を抱えていると回答し、8割超が危険手当などの特別な手当を支払われていない。N95など感染防護具も不足している」と紹介した。今後の感染再拡大を視野に、「PCR検査の拡充、感染防護具の十分な供給などとともに、危険手当の支給など労働条件の改善が急がれる」と強調した。

 

病院経営

 みさと健和会病院長の岡村博氏は、「病院経営はもともと利益率が低いところに、4、5月は対前年比で収入が3割減となった。医療機関の自己責任では経営破たんしてしまう」として、国による対応を強く求めた。

 

医科・歯科診療所

 保団連の山崎利彦理事は「支払基金、国保連合会の資料によると、5月診療分だけで前年比4000億円もの減収となっている。医療機関は融資を受けてなんとか経営を維持しているが、返済の目途は立たない。小児科、耳鼻科の減収は特に深刻」と指摘した。
 保団連の杉山正隆理事は、歯科の窮状について報告。「長年の低医療費政策によって歯科医院は厳しい経営難にさらされていたが、コロナによる受診控えが起き、閉院を考える歯科医院も多い」と述べた。

 

看護

 日本医労連中央執行委員の寺園通江氏は、コロナ以前から人手不足が深刻だった看護現場では、感染防止対策、門前トリアージなどでさらに人員が割かれ、夜勤回数も増加するなど過酷な労働条件に拍車がかかっている。医療従事者への差別も重なり、心身ともに疲弊していると訴えた。

 

介護

 介護現場の実態について、全日本民医連副会長の平田理氏が発言した。支援策としての介護報酬の特例は利用者負担増につながり現場が混乱しているとし、公費での対応を求めた。また、感染防護具などの安定供給や減収・費用増対策、介護報酬の改善など介護分野への手厚い対策が必要と強調した。

 

国の責任で対応を

 保団連の住江会長が閉会あいさつし、「現場の逼迫した実態を国が真摯に受け止め、対策を具体化すべきだ」と強調した。財政赤字解消のために緊縮すべきという政府の主張について、「財政赤字は80年代以降、新自由主義経済財政運営に基づく大企業・富裕層優遇によって、税収が減ったことでもたらされたもの。この路線と手を切り、医療機関を含め全ての業種、全ての国民の生活困難に対して国が責任をもって対応すべきだ」と訴えた。
 シンポジウムには保団連の宇佐美宏副会長をはじめ協会から17人が参加し、岩手県知事の達増拓也氏がメッセージを寄せた。

以上

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