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大阪市分割・廃止の「都」構想を問う

行政区いじりよりコロナ対策を

全国保険医新聞2020年10月15日号より)

 

 コロナ感染が収束しない中、大阪府・大阪市の臨時議会において大阪市分割・廃止を市民に問う住民投票を実施することが採択された(11月1日実施)。コロナ禍での行政の最優先課題は、必要な受診を確保し、地域医療を立て直すことであり、インフル・コロナの同時流行に備え、発熱外来の整備や検査体制を拡充することだ。保団連は、コロナ対応を優先し、不要不急の住民投票の実施中止・延期を求めてきた。大阪協会、大阪歯科協会とともに、大阪市を分割・廃止する「大阪都」構想に反対する運動に取り組んでいる。臨床医の立場から、効率重視で医療・公衆衛生を切り捨ててきたこと、市解体による命と健康を守る市民サービスへの影響を考える。

 

大阪市廃止で命・健康は守れない 大阪協会理事長 高本英司

 コロナ禍の今、なぜ大阪市廃止を問う住民投票なのでしょうか。5年前の住民投票では賛成が69万票、反対が70万票で大阪市廃止・分割は否決されました。維新の会は「二重行政は無駄」論で市民を分断して住吉市民病院を廃止し、公衆衛生研究所の統廃合を強行してきました。効率や営利を最優先する新自由主義の維新政治では府民・市民の命と健康を守れないことが、コロナ禍で一層明らかになりました。しかし彼らは「コロナ禍の今、なぜ住民投票なのか?」という市民の疑問に答えず、「大阪都」構想を何としても押し通そうとしています。

 

科学的根拠が乏しい政策が顕著に

 大阪府の吉村洋文知事は新型コロナ対策の「大阪モデル」で有名になりましたが、実際は政治主導で科学的根拠の乏しい施策です。その最たるものがワクチン開発を巡っての6月17日の記者会見で「今月末に市大の医学部附属病院の医療従事者に、まずは20例から30例の投与をする予定です」と述べたことです。ワクチン治験では重大な副反応があり得るにも関わらず、大学の審査委員会も開かれていない段階で通常の手続きを無視してこのような発言をしました。また、住民投票実施判断の根拠としたコロナ感染の「非常事態基準」を、7月には何度も改変しました。

 

大阪市解体で財源吸い上げが狙い

 大阪市の松井一郎市長は、不足する防護具を補うために雨がっぱの提供を市民に呼びかけるなどマスコミの注目を集めようとした一方で、見せかけの「バーチャル都構想」を語るのみで大阪市としての独自施策は放棄しています。焦眉のPCR検査の拡充にも取り組んでいません。さらに深刻なのは、大阪市をなくして特別区になれば市の財源の65パーセントは府に吸い上げられ、子ども医療費助成制度の対象年齢が引き下げられるなど住民サービスが今以上に切り捨てられることです。
 大阪協会は「大阪市廃止NO!」の姿勢を鮮明にし、住民投票で再び大阪市解体反対が多数となるよう会内外に広く呼びかけます。全国から「大阪市をなくすな」の声を届けていただくことを心よりお願い申し上げます。

財源吸い上げカジノを推進 大阪歯科協会理事長 小澤 力

 コロナ禍に地域医療の最前線で奮闘されている保団連ならびに全国協会、医会の先生方に心より敬意を表します。
 大阪では、新型コロナ対策そっちのけで「大阪都」構想の是非を問う住民投票が実施されようとしています。「都」構想の根拠となる法律は、2012年に国会で成立した大都市法です。維新の会のような勢力が増えれば、全国各地で大阪と同じことが起こりかねません。
 「都」構想は、大阪市を分割・廃止して政令市としての権限を奪い、財源の65%を大阪府が吸い上げ、カジノ・IR構想などの巨大開発に集中投資することです。二重行政の無駄の解消など、その方便に過ぎません。実際の財政削減効果は1億円程度です。無駄と言うのであれば、5年前に決着済みの「都」構想の住民投票を繰り返すことではないでしょうか。

 

イソジン騒動で現場混乱

 吉村洋文大阪府知事、松井一郎大阪市長は「バーチャル都構想」で「新型コロナ対策を強力に進めて来た」などと発言していますがPCR検査体制さえ貧弱なまま放置するなど実態は何もありません。それどころか吉村知事は、新型コロナで「9月にはワクチン」や「イソジンが効く」など、科学的根拠のない発言を繰り返し、マスコミが大きく取り上げるなど、医療現場や市場を混乱させてきました。その一方で「大阪モデル」の基準をこっそり2回も変更し、赤信号が点灯しない仕組みに変えたことは全く報道されていません。
 大阪維新の会は、全国に先駆けて大阪で市民病院をつぶし、民営化を進めて来た新自由主義勢力です。国政でも安倍政治の補完勢力として、その推進に協力してきました。本拠地である大阪で再び、維新政治にNOを突き付けることは、社会保障を守って行く上でも全国的な意義があると考えています。
 私たちは、このようなデタラメな維新政治と「都」構想に再度、NO!を突き付け、今度こそ、住民の命と健康が優先される大阪府、大阪市を目指して全力を尽くします。皆様のご支援をお願いいたします。

支援募金にご協力を

住民投票否決に向けた運動支援の募金にご協力ください。

<振込先>
○みずほ銀行・難波支店
 普通・1605707
 大阪府歯科保険医協会
 理事長 小澤力(おざわ つとむ)

○関西みらい銀行・堀江支店
 普通・0280426
 大阪府歯科保険医協会
 理事長 小澤力(おざわ つとむ)

以上

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