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高齢者医療費2倍化を斬る

社会保障充実へ転換を
住江会長が『下流老人』著者・藤田孝典氏と対談

全国保険医新聞2021年4月15日号より)

医療費負担からコロナ後の社会まで縦横に語りあった住江会長(右)と藤田氏

  全国保険医団体連合会(保団連)の住江憲勇会長は、生活困窮者支援などに取り組むNPO法人「ほっとプラス」理事で『下流老人』などの著作で知られる藤田孝典氏と、「高齢者の医療費"2倍化"を斬る!」をテーマに対談した。対談は神奈川協会「医療費の窓口負担『ゼロの会』」が主催したオンラインイベント「コロナ禍でこそ!お金の心配なく医療にかかれる社会へ」の一環で行われた。

 

医療の役割を否定する―住江会長

 住江会長は「医療に求められる役割は、疾病の早期発見・診断・治療だ。コロナ禍で生活困難が拡大する中での窓口負担増は受診抑制を深刻化させ、この役割をことごとく不可能にする。医療者の立場から負担増に反対する」と強調した。
 政府が現役世代との比較を持ち出すことに関連して、「高齢者は収入が低下する一方、慢性疾患を抱え受診頻度が高くなる。現在の1割負担でも、年収に対する窓口負担額の割合は現役世代より2〜6倍高い」と指摘。総務省の家計調査から負担増の対象となる収入水準の夫婦世帯の例を紹介し、「現在でも生活費は月2万円以上の赤字。貯金を切り崩して暮らしている。負担増を受け止める余裕はない」と批判した。
 藤田氏は「今回の負担増には、若者も関心を持ってほしい。親の医療費負担が増え生活が困窮すれば、自分たちが仕送りなどで支えざるを得なくなる」と話し、「世代間分断に負けずに、一緒に反対していくべきだ」と力を込めた。

 

まだ負担していない人たちがいる―藤田氏

 藤田氏はさらに、「高齢者負担増をコロナ禍で審議するなんて信じられない」と述べ、「諸外国ではむしろ社会保障充実や消費税軽減など国民を安心させる政策をとっている」と指摘した。
 住江会長は、「政府のコロナ対策は、国民に『自粛』を要請するばかり。休業や収入減少への十分な補償もなく自己責任で乗り切れと言わんばかりだ」とし、「一方で大企業・富裕層にはコロナ対策の影響を及ぼさないよう、日銀の国債無制限買い取りによる財源調達や株価維持策などを取っている」と批判。「所得再分配としての社会保障が機能し医療が充実した社会への転換が必要」と訴えた。
 藤田氏も「社会保障充実を求めると、『財源がない』という答えが返ってくるが、大企業・富裕層などまだ負担を求められていない人たちがいる。今こそ、税と保険料で応分の負担を求めるべきだ」と応じた。
 当日はこの他、立教大学教授の芝田英昭氏が医療費一部負担金の考え方をテーマに講演。ウェブでつないだ全国の参加者がリレートークした。

以上

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