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【2021衆院選】生活・雇用・医療の改善争点
公平な税制への転換がカギ

全国保険医新聞2021年10月25日号より)
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 10月31日投開票の総選挙では、コロナ禍で疲弊する生活や雇用、医療の立て直しが争点となる。保団連の三浦清春副会長(写真)に争点を聞いた。(4・5面に政権のコロナ対策の検証、7面に新政権の改憲姿勢)

 

 総選挙では、コロナ禍で疲弊する国民生活や低迷する経済を下支えし、賃金・雇用の改善や医療・社会保障の立て直しが争点です。そのためには、これまでの安倍・菅政権の経済・財政政策を継承するか転換するかが問われます。

アベノミクス継承

 岸田首相は国会で「新しい資本主義の実現」、「成長と分配の好循環を目指す」と掲げ、独自色を打ち出しました。
 しかし、経済政策では、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略」のアベノミクスの3本柱を掲げ、「新しい資本主義」とは「アベノミクスも基礎とした概念」と答弁し「継承」を宣言しました。
 安倍・菅政権の9年間で、「富裕層や大企業が利益を増やせば、国民所得も向上する」とするアベノミクスは「幻想」に終わりました。法人税は28%から23.2%に減税され、大企業の内部留保は133兆円も増え467兆円に達しました。日銀の金融緩和や年金資金の株式運用など株高維持政策で、大企業・富裕層の資産は膨張しました。
 一方で消費税が2度増税され、個人消費は低迷し続けています。非正規労働者が増加し、実質賃金も22万円減り、格差は拡大しました。

金融所得課税強化も先送り

 株式売買益など金融所得の税率(15%)は、所得税率(最高税率55%)に比べ極端に低く据え置かれています。株で多くの利益をあげる富裕層ほど税負担が軽くなります。実際、所得が1億円を超えると税負担率が下がる(図)逆転現象が起こっており、富裕層優遇の象徴的存在です。
 岸田首相は、「富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ」と述べ、企業の税負担等を軽減し、市場競争を推し進める新自由主義の弊害を指摘したものの、総裁選で掲げた「金融所得課税の強化」は、早々に先送りしました。

診療報酬引上げを

 「分配戦略」として、看護、介護、保育で働く労働者の収入増加に向け、「公的価格を見直す」としました。そうであれば、医療従事者の待遇改善の原資となる診療報酬の大幅引き上げを明言すべきです。また、最低賃金の引き上げ、非正規雇用の待遇改善など格差是正に繋がる施策にも言及すべきです。一方、野党4党は、共通政策で▽消費税減税▽大企業・富裕層の負担増▽低所得層や中間層へ再分配の強化▽最賃引上げ▽非正規雇用の待遇改善など―貧困格差の是正を掲げました。

応能負担強化こそ

 コロナ禍で60カ国・地域で消費税が減税され、OECD加盟136カ国で最低法人税率やデジタル課税の導入も合意されました。日本も不公平税制を改め、大企業・富裕層に応分の負担を求め、賃金・雇用の改善や社会保障充実に踏み切るべきです。総選挙では、格差による分断を乗り越え暮らしと経済の好循環を実現する展望を拓きましょう。

以上

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