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第36回医療研 シンポジウム3
コロナの先に見える日本

岐阜県保険医協会理事 廣瀬 功
全国保険医新聞2021年12月15日号より)

 

 岐阜協会が主務となり9月19、20日に第36回医療研究フォーラムが開催された。2日目のシンポジウム3では、「コロナの先に見える日本」をテーマに縦横に議論した。概要を紹介する。

 中国・武漢より発生が確認された新型コロナウイルスによる感染者数は、執筆時の11月1日時点で世界では2億4,700万人と依然として増加傾向にある。日本の累計感染者は180万人程で、ワクチン普及につれ新規感染者はかなり減少してきている。死者は世界では約500万人、日本では1万8,000人と残念ながら増加傾向にある。
 我々の日々の暮らしの中では、規制が少しゆるめられ、夜間の飲食制限も緩和されてきたが、相変わらずマスク着用の厳しい現実生活の中にいる。新しい治療法もようやく出てきたが、一般化はまだ先であり、手探り状態から脱し得ていない。コロナ対策への重要な手段としてワクチン接種が進み、3回目も決定された。
 このような状況下、4人のシンポジストをお招きし、「コロナの先に見える日本」を提供し、熱心な議論の場を提供できたことは誠に時宜を得るものであった。

病態、現場対応、自粛の影響… 多角的に議論

 岐阜県総合医療センター感染症内科の鈴木純氏からは、「COVID-19に対する現場の対応」として報告してもらった。コロナの病態はウイルスの増殖と宿主の炎症の2つの山がずれているのが特徴で、主にウイルスの症状が一週間程度続き、中等症Tになると宿主の炎症による肺炎が発生。ウイルス量が多いとその後の宿主の炎症も大きくなると紹介し、感染第5波での病床逼迫状況、ICU病床を通常稼働しながらコロナ患者を治療することは人員的な困難があったことなどを紹介してもらった。
 松波総合病院理事長の松波英寿氏はドライブスルー方式のPCR検査、GIFU-Curtain、GIFU CUBEなど、現場で出された様々な対応策のアイデアを披露してくれた。また、地方の民間病院として、病棟単位で感染症病棟の設置、ワクチン接種など、行政や医師会と共同して地域医療を担うことが大切と解説した。
 京都大学大学院教授の藤井聡氏は、統計学的手法を用いた視点から、コロナ禍による社会的萎縮により、多くの自殺者、うつ病の発症者を生み、過度の「自粛」は社会全体にとってマイナス面が大きいと強調した。
 保団連の住江憲勇会長は、検査体制の拡大、国民の理解・協力を得るための保障、自己責任論に基づく「原則自宅療養」方針の撤回、入院病床を増やして早期に治療するなど、感染症対策の大原則に立ち返るべきと述べた。
 白熱した議論となり、医療人とは異なった観点からの見方が示されたことは特筆に値し、シンポジストの選定に当たられた岐阜協会の竹田会長、永田副会長には深く感謝したい。

以上

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