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医学部入試 男女別合格率が逆転 公正な入試求め女性部声明

全国保険医新聞2022年1月25日号より)

 

 全国の大学が入学試験シーズンを迎えた。2021年度の医学部入試では、過去9年間で初めて女性受験生の合格率が男性を上回った。医学部入試での女性差別が解消したかどうかを慎重に見極めるとともに、再発防止のため医師不足や性別役割分業の解消が必要だ。

 

結果公表で一転

 2018年に医学部入試での女性受験生差別が発覚して以来、保団連女性部は、全医学部の男女別合格率の公表を求めてきた。文科省は18年9月に過去6年間の全医学部の男女別合格率を公表した後、不正が発覚した大学以外は公表しないとの考えを示していた。しかし20年12月に一転して19年度と20年度入試分の公表に踏み切り、次年度以降も毎年公表することを決めた。21年度分も既に公表されている。
 これらのデータを見ると、21年度の医学部入試では、13年度以降で初めて女性の合格率(合格者数/受験者数)が男性を上回り、男性の方が高い大学の割合は7割程度から4割程度に激減した(表)。文科省が毎年の男女別合格率公表を表明したことが、女性差別のない公正な入試の実施を後押しした可能性もある。とはいえ、差別が完全に解消されたかどうかは、今後も長期にわたってデータを注視し、慎重に見極める必要がある。
 入試差別の要因である出産・育児による女性医師の離職の背景には、過労死ラインを超えるような医師の過酷な働き方や、日本社会に根深い「男は仕事、女は家庭」という言葉に代表される性別役割分業がある。現状のままでは、入試差別が解消されても、女性医師は過酷な労働と家事・育児の二重負担に苦しみ、医療現場はより深刻な人員不足に陥るおそれがある。

医師増員・性別役割分業解消こそ

 保団連女性部は17日、差別のない公正な入学試験の実施を求める声明を発表し、マスコミや全国医学部長病院長会議などに送付。これを受けて、同会議は全国の医学部長宛てに声明を送り、女性差別のない入試を実施するよう求めた。声明では、「医師増員と医療界の性別役割分業意識の解消に向けて取り組みを強める」としている。

(表)男性の合格率が女性より高い医学部数と割合

大学総数 該当大学数 割合
2021年 81 36 44.44%
2020年 81 55 67.90%
2019年 81 55 67.90%
2018年 81 57 70.37%
2017年 81 46 56.79%
2016年 80 57 71.25%
2015年 79 51 64.56%
2014年 79 54 68.35%
2013年 79 55 69.62%
※文科省発表資料より作成

以上

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