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新点数分析いち早く
2022診療報酬改定 保団連の検討会

全国保険医新聞2022年4月5日号より)

 

 全国保険医団体連合会(保団連)は4月からの診療報酬改定実施を前に改定内容を迅速、正確に伝えるため、3月20日(歯科)と21日(医科)に新点数検討会を開催した。

 

医科 ―― 安全・安心の医療提供に懸念

 社保・審査対策部の武田浩一医科部長が改定の特徴を分析した。
 入院外について、新興感染症への対策として「感染症対策向上加算が新設されたが、算定できる医療機関は限定されている」と指摘した。発熱外来実施や、感染防止対策部門の設置と専任の責任者による研修などが求められる。動線分離が難しく、人員も限られる一般診療所にはハードルが高く、6点という点数も不十分だ。全ての医療機関の努力を十分に評価することこそ必要だ。

オンライン診療、リフィル処方は慎重対応を

 コロナ禍で特例として認められていた初診からのオンライン診療が組み込まれ、点数化されたことについて、「対象患者も施設基準も診療報酬上明示されず、『指針』に沿うとしか定められていない」と取り扱いの不透明さと、医療安全の懸念を指摘した。
 薬局で反復利用できるリフィル処方箋の導入について、安全性を懸念する医療現場の声を顧みず導入された経緯を問題視。リフィル処方箋は、受け取った薬剤師の役割が大きくなるが、医学的責任は処方箋を発行した医師が持つ。「発行する場合、慎重な対応が必要だ」と強調した。
 また、外来、在宅、リハビリで新設されたデータ提出加算については、「収集したデータを用いて、今後の改定で、実績による差別化や点数抑制に利用していくことが予想される」と指摘した。
 入院では、一般病床の「重症度、医療・看護必要度」項目の変更は急性期病床の絞り込みが狙いと批判。併せて、回復期リハビリテーション病棟で、新規入院患者に占める重症患者割合が強化され、地域包括ケア病棟・病床でpost acute機能を軽視した改定となったとし、実績要件の数値強化で振り落としが狙われていると指摘した。
 医科検討会ではこの他にも新点数全般に渡る検討や解説がされた。

 

歯科 ―― 改善見られるも総枠拡大が不可欠

 社保・審査対策部の新井良一歯科部長が改定の評価と問題点を報告し、「感染症対策や、材料費の高騰によって、歯科医療機関の経営が逼迫している。こうした中で、歯科での診療報酬本体の改定率0.29%という財源の低さは残念だ。歯科医療費の総枠拡大が必要だ」と訴えた。
 保団連の要求が一部実現し改善された項目として、以下を例に挙げた。歯周病安定期治療(SPT)の算定要件が、か強診で算定できるSPT(U)をSPT(T)に統合する形で一本化された。総合医療管理加算・在宅総合医療管理加算では、施設基準が廃止され全ての医療機関で算定できるようになり、対象疾患にHIV感染症も追加された。基礎的技術料についても、処置、歯冠修復・欠損補綴などの複数の項目で、若干点数が引き上げられ、非経口摂取患者口腔粘膜処置も点数が上がった。

初・再診料、単純にプラスではない

 一方、改定の問題点について新井部長は、新興感染症への対策を挙げ、「初・再診料が3点ずつ引き上げられたが、これは歯周病基本治療処置(P基処)の廃止・包括による財源が使われている」と指摘、単純に評価できるものではないとした。
 この他、オンライン資格確認を活用した電子的保康医療情報活用加算は、「マイナンバー制度推進への政策誘導的な側面は問題」とした。
 歯科技工問題に関連して、「補綴技術料の多くは据え置かれた。今後も重要課題として取り組む」と強調した。
 金パラ価格改定の制度改善については、「逆ザヤ」解消へ一歩前進と評価しつつ、「今回の見直しでも、ウクライナ情勢のような非常事態による価格の急騰には対応できないことが分かった」と指摘し、抜本解決を求めた。
 歯科検討会ではこの他、改定された個別点数の検討や、新点数の算定事例が解説された。


検討会で使用した『点数表改定のポイント』(医科(左))と
『2022年改定の要点と解説』(歯科(右))。ご注文は保険医協会・医会まで。

以上

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