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経済的理由の治療中断 4割が経験
―受診実態調査 中間集計―

全国保険医新聞2016年3月5日号より)

 

 協会・医会、保団連が全国的に取り組んだ2015年受診実態調査の中間集計では、治療中断を医科の約3割、歯科の約5割が経験し、患者一部負担金の未収金が「あった」との回答が半数近くとなった。患者負担が医療機関の経営にも影響を及ぼしている状況がうかがわれる。
 調査は昨年秋から、全国の保険医協会・医会会員の医療機関を対象に取り組んでいる。中間集計は1月末までに集計された29協会・医会の結果(医科4,059件、歯科1,995件)を集約したもの。
 この半年間で、主に患者の経済的理由によると思われる治療中断の経験があるのは全体の39.8%で、医科の33.6%、歯科の52.5%だった(右図)。
 中断事例の病名は、医科では高血圧症や糖尿病、歯科では歯冠修復・欠損補綴、う蝕、歯周病が多かった。
 医療費負担を理由に検査や投薬を断られた経験は、医科で45.9%、歯科で35.6%が「ある」と答えた。

未収金は約半数が経験

 この半年間に患者一部負担金の未収金が「あった」と答えたのは、医科で52.0%、歯科で45.6%。そのうち、全額回収できたとしたのは、3割程度だった。
現在検討されている75歳以上の患者窓口負担を1割から2割にする案については、医科歯科とも7割が「受診抑制につながる」と回答した。
窓口負担や患者の経済的な苦しさが受診抑制や治療中断につながり、医院経営にも影響を及ぼし得ることが示唆される調査結果だ。保団連では最終報告のとりまとめが完了次第、マスコミなどに発表する。

以上