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【歯科社保情報】あらためてふりかえる16年改定B
―外来後発医薬品使用体制加算―

全国保険医新聞2016年10月5日号より)

 

 歯科の今次改定の内容をシリーズで解説する。今回は外来後発医薬品使用体制加算について整理する。

 今次改定で、後発医薬品のさらなる使用促進を図る観点から、後発医薬品の使用割合の高い院内処方の診療所を評価するため、「外来後発医薬品使用体制加算1」4点と「外来後発医薬品使用体制加算2」3点が新設された。1処方につき処方料に加算する。
 月1回の加算ではなく、処方するごとに加算の算定ができる。特に、歯科では使用薬剤種類が少なく、消炎鎮痛剤に後発医薬品を処方している場合は、該当する場合が多い。

施設基準

 施設基準の要件は、以下のとおりである。
(1)診療所であって、薬剤部門または薬剤師が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていること。(薬剤師がいない場合でも、歯科医師の配置で兼務が可能で、後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえて後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていれば算定できる)。
(2)当該保険医療機関において調剤(処方)した後発医薬品のある先発医薬品および後発医薬品について、当該薬剤を合算した使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格単位数量」という)に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が、外来後発医薬品使用体制加算1にあっては70%以上、外来後発医薬品使用体制加算2にあっては60%以上70%未満であること。
(3)当該保険医療機関において調剤(処方)した薬剤の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品および後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が50%以上であること。
(4)後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を積極的に行っている旨を当該保険医療機関の受付及び支払窓口の見やすい場所に掲示していること。

提出書類

様式38の3(訂正済)(クリックするとPDFが開きます)

 提出書類は右のものである。
 様式38の3(歯科診療報酬「2016年改定の要点と解説」の187ページに掲載、一部厚労省より訂正あり)

外来後発医薬品使用体制加算の施設基準に係る届出添付書類

(1)届出に係る後発医薬品使用体制加算の区分では、前述の(2)及び(3)での直近3カ月間の医薬品の使用状況を元に後発医薬品の割合を計算し、外来後発医薬品使用体制加算1か、2のいずれかに○を付す。
(2)後発医薬品の使用を促進するための体制の整備では、品質、安全性は「オレンジブック総合版ホームページ」等を参考にして、供給体制等はMR、MSに確認した上で、後発医薬品メーカーのホームページ等を参考にして、院内後発医薬品採用検討委員会で採用を決定する。採用するに当たっては、オレンジブック、医薬品安全対策情報、薬品卸、メーカーMR等から情報を収集し、院長ならびに歯科衛生士、事務で安全性・供給体制等評価し決定する。
(3)医薬品の使用状況では、全医薬品の規格単位数量(@)1カ月に患者に処方したすべての薬剤(内用薬、外用薬−歯科では抗生剤、消炎鎮痛剤、含嗽剤等)の合計数。
 後発品あり先発医薬品および後発医薬品の規格単位数量(A)1カ月に患者に処方したすべての後発品のある先発医薬品および後発医薬品の合計数で、後発医薬品のない先発医薬品は含まない。
 後発医薬品の規格単位数量(B)「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品」等について」を参照にする。これには、「算定対象となる後発医薬品」「算定対象とならない後発医薬品」「算定対象となる後発医薬品のある先発医薬品」「算定対象とならない後発医薬品のある先発医薬品」が記載されているが、記載されていない薬剤はカウントの対象外。
 @、A、Bを算出した上で、カットオフ値の割合(C)(A/@)% と、後発医薬品の割合(D)(A/@)%を計算し、(1)の該当する区分に○をつける。

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記載上の注意

(1)後発医薬品の採用について検討を行う委員会等の名称、目的、構成員の職種・氏名等、検討する内容、開催回数等を記載した概要を添付すること。
(2)規格単位数量とは、使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量のことをいう。 
(3)後発医薬品の規格単位数量の割合を計算するに当たっては、「『診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品』等について」(平成28年3月4日保医発0304第13号)を参照にする。

 


(1)の委員会は、外来後発検討委員会等とし、委員は院長・衛生士・事務等で(薬剤師がいなければ入っている必要はない)、開催日時や回数を記載し、薬剤に関する情報(品質・安全性・供給体制・留意事項について)を検討する。情報の入手先は、薬剤添付書類・MRや卸担当からの情報・その他 を記入する。
 これを定期的に開催し、記録を残していく。
 それぞれ3点、4点と小さな点数ではあるが、ジェネリックを使用している医院はぜひ申請し算定してほしいものである。

(理事 柴沼博之)

以上