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抜本解決 程遠く ― 医療機関の消費税問題
与党が税制改正大綱

全国保険医新聞2018年12月25日号より)

 

 自民、公明両党は12月14日、2019年度与党税制改正大綱をまとめた。医療機関の控除対象外消費税(いわゆる「損税」)については、「診療報酬の配点方法を精緻化する」との方針にとどまった。医療界では「診療報酬による補てんは限界」として、抜本解決を求めてきた。全国保険医団体連合会(保団連)は抜本解決策として「ゼロ税率」適用を求めており、国会内では理解は広がりつつある。引き続き問題を重視し、取り組みを進める。

 

診療報酬補てんで対応―大綱

 大綱は、医療機関の消費税損税について、「診療報酬の配点方法を精緻化する」とし、これにより「医療機関種別の補てんのばらつきが是正される」とした。また、「実際の補てん状況を継続的に調査」し、「その結果を踏まえて、必要に応じて、診療報酬の配点方法の見直しなど対応していくことが望まれる」とした。さらに、▽医師の勤務時間短縮のため必要な器具及び備品、ソフトウェア▽地域医療構想で合意された病床の再編等の建物及びその附属設備▽共同利用の推進など効率的な配置の促進に向けた高額医療機器―の3点については、特別償却制度の拡充・見直しを行うとし、消費税負担への一定の配慮を示してはいる。
 日本医師会は大綱の発表を受け、見解を発表。「精緻な配分と定期的な検証」による対応と「設備投資への支援措置」を上げ、「今回の税制改正大綱をもって、長年の懸案であった『医療に係る消費税問題について解決』と考えている」との認識を示した。
 昨年度の大綱では「2019年度税制改正に際し、税制上の抜本的な解決に向けて総合的に検討、結論を得る」とされていた。しかし今回の大綱での方針は、これまでの診療報酬での補てんでの対応の継続であり、「税制上の抜本的な解決」には程遠い。

 

「ゼロ税率」の理解広がる―立憲民主が明記

 診療報酬による補てんは、医療機関種別や個別医療機関の分断を招く上、「医療は非課税」という消費税法上の建前と矛盾する事態を解消するものではなく、抜本解決とはいえない。保団連は、医療機関にも患者にも消費税負担を生じさせない形での抜本解決策として「ゼロ税率」の適用による免税を求める会員署名に取り組み、政党、国会議員等への要請を強めてきた。立憲民主党が19年度税制改正の要望で、「ゼロ税率を含めて新たな税制上の措置を早期に講じること」と明記するなど、理解が広がっている。
 保団連は10%増税時の診療報酬対応状況を厳しく精査しつつ、引き続き「ゼロ税率」適用による抜本解決に向けた取り組みを強める。

以上