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インフルエンザ流行期における
発熱外来診療体制確保支援補助金

全国保険医新聞2020年10月5日号より10/23一部修正)

 

 インフルエンザ流行期に新型コロナ感染が同時に流行することが懸念される中、厚労省は、発熱患者の外来診療や検査などを担う「診療・検査医療機関(仮称)」を設置し、相談・診療・検査を一元的に対応すること目指している。
 診療・検査医療機関は、保健所と委託契約を交わし、専用の診察室の体制整備や行政検査への対応が可能な地域の医療機関が対象となり、都道府県が指定する。指定を受ければ感染防護具の無償提供や検査キットの補助の他、診療体制確保のための補助金が受けられる。厚労省は、9月15日閣議決定された二次補正予算の予備費で発熱外来診療体制確保支援として2170億円を確保し、補助金の細目を都道府県に通知した。
 同補助金は、都道府県から「診療・検査医療機関(仮称)」の指定を受けて、発熱患者等の診療を行うことを周知した場合は、1日に26万円を上限として補助金が交付される。補助金の概要を解説する。
 なお、発熱患者等を1日20人以上診察した場合は補助金がゼロとなる。また、検査診察は行わないが電話相談等に対応する医療機関への補助は設定されていない。保団連では、受診患者数が増えても補助額がゼロにならないこと、電話相談を受けた医科・歯科医療機関への補助金の創設等を要請している。要請書は保団連ホームページの「新型コロナウイルス感染症対策特集」を参照いただきたい。

 

○制度の主旨

 発熱患者等が地域の医療機関において、適切に診療・検査を受けられる体制を整備するため、発熱患者等専用の診察室一つにつき、1日当たり最大で「20人×13,447円=268,940円」を補助ベースとして、外来診療・検査体制確保料として交付される。(自院のかかりつけ患者のみに対応する場合は、診察室一つにつき、1日当たり最大で「5人×13,447円=67,235円」が補助ベース)
 ただし、「体制確保料」であり、実際に発熱患者等専用の診察室で診療を行った場合は、「発熱患者等の受診患者数×13,447円」を交付額から減額する。

○交付対象医療機関

@都道府県より「診療・検査医療機関(仮称)」の指定を受けていること。

ア. 発熱患者等が新型コロナウイルス感染症以外の疾患の患者と接触しないよう、可能な限り導線が分けられている。
イ. 検査を行う場合は、新型コロナウイルス感染症に係る行政検査の委託契約を行っている。
ウ. 自院のかかりつけ患者及び自院に相談のあった患者である発熱患者等のみを受け入れる場合は、自院のかかりつけ患者に対して、発熱等の症状が生じた場合には、電話で相談した上で、自院で診療・検査可能である旨を院内掲示等で周知する。
エ. 自院を受診した患者が、新型コロナウイルス感染症であった場合には、速やかに保健所や都道府県調整本部)に連絡し、患者の状態を伝える等、患者の療養先の検討に協力する。また、自宅療養や自宅待機患者に対するフォローアップについて、可能な範囲で協力する。

A次のいずれかの対応を行うこと。

ア. 予め発熱患者等の対応時間帯を住民に周知する。
イ. 地域の医療機関や受診・相談センター(仮称)と情報共有し、発熱患者等を受け入れる。

B「診療・検査医療機関(仮称)」として都道府県に指定されている期間中は、新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)及び新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)に必要な情報の入力を行うこと。

○交付額

@ 発熱患者等専用の診察室で受け入れる発熱患者等の「想定受診患者数」(基準患者数)から、実際に発熱患者等専用の診察室で診療を行った発熱患者等の受診患者数(受入患者数)を差し引いた人数に13,447円を乗じた額を算定する。
A 「想定受診患者数」(基準患者数)は、の診療室につき1日当たり20人を上限とし、20人を7時間で除した数値に、発熱患者等専用の診察室で受け入れる体制を確保した時間数を乗じる。ただし、発熱患者等の受診患者数×13,447円を減額する。
B 自院のかかりつけ患者及び自院に相談のあった患者である発熱患者等のみを受け入れる場合は、の診療室につき1日当たり5人を上限とし、5人を2時間で除した数値に、発熱患者等専用の診察室で受け入れる体制を確保した時間数を乗じる。ただし、発熱患者等の受診患者数×13,447円を減額する。
C 受診患者数がゼロだった場合は、補助額は半額となる。
D 計算例示(1,000円未満の端数切捨て)

ア.自院のかかりつけ患者以外の患者も受け入れる場合

イ.自院のかかりつけ患者等のみを受け入れる場合


※交付は、清算払い請求書に基づいて速やかに交付するが、要件を満たせば概算払いも可能である。

 上記について、10月9日発出の補助金の案内では、1日単位で差引を行うことが示された。これに基づき補助金の計算事例を下記の通り改める。

ア.自院のかかりつけ患者以外の患者も受け入れる場合(下表を修正10/23
診療時間 受診者数 補助額(1日当たり)
1日7時間 基準額 20÷7×7=20人×13,447円=268,940円
1人 20−1=19人×13,447円=255,493円
20人以上 20人以上=0人×13,447円=0円
※1日7時間以上で設定することも可能だが、その場合も1日20人が上限
診察を行った発熱患者の数が0人の月は補助金が半額となる。


イ.自院のかかりつけ患者等のみを受け入れる場合(下表を修正10/23
診療時間 受診者数 補助額(1日当たり)
1日7時間 基準額 5÷2×2=5人×13,447円=67,235円
1人 5−1=4人×13,447円=53,788円
5人以上 5人以上=0人×13,447円=0円
※1日2時間以上で設定することも可能だが、その場合も1日5人が上限
診察を行った発熱患者の数が0人の月は補助金が半額となる。


○その他の補助

「診療・検査医療機関(仮称)」に必要な個人防護具は、国から配布する予定。


「外来診療・検査体制確保事業」及び「発熱患者の電話相談体制整備事業」に係る交付金の申請方法等

(1) いずれの補助金も交付申請は、「診療・検査医療機関(仮称)」として都道府県知事の指定を受けた上で厚生労働大臣あてに提出する。提出から1カ月以内に交付の決定が行われる。
(2) 制度の詳細は下記を参照されたい。

補助金の詳細: 「令和2年度インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業」について
指定要件: 令和2年度インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金に係る対応について(厚生労働省健康局結核感染症課 9月15日付事務連絡)[PDF]
Q&A: 令和2年度インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金(インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業及びインフルエンザ流行期に備えた発熱患者の電話相談体制整備事業)に関するQ&A(第1版)について(厚生労働省健康局結核感染症課 9月29日付事務連絡)[PDF]
(3) 問い合わせ先
厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター 電話番号:0120-336-933

以上

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