「戦争と医の倫理」の検証を進める会と有志による取り組み
2013年12月26日「第29回日本医学会総会2015関西」主催者に下記を要請
1. ドイツ精神医学精神療法学会(DGPPN)フランク・シュナイダー会長を医学会総会に講演者として招聘すること
2. シュナイダー会長の提案するDGPPN作成のパネルを展示すること
「医の倫理」実行委員会の設立と企画推進
2014年1月12日 | 実行委員会設立 |
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2月23日 | 第2回実行委員会 |
5月11日 | 第3回実行委員会 |
8月10日 | 第4回実行委員会 |
9月28日 | 第5回実行委員会 |
10月26日 | 第6回実行委員会 |
11月23日 | 第7回実行委員会 |
2015年03月10日 | 第8回実行委員会 |
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京都プレ企画(2014年)
多彩な人たちが集い、多様な切り口から医の倫理と医学の将来を語る連続企画を行ってきた。
5月3〜6日 | ハルビン視察旅行(主催:全国保険医団体連合会) |
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8月31日(日) | 医の倫理ゼミ(第1回)・過去戦争と医学
講義1:「15年戦争期における日本の医学犯罪」 土屋 貴志氏(大阪市大 准教授) 講義2:「旧日本軍遺棄毒ガス(化学兵器)チチハル被害者日中合同検診報告」 磯野 理氏(京都民医連第2中央病院院長・京都民医連) 会場:京都府保険医協会 会議室 |
9月28日(日) | 医の倫理ゼミ(第2回)・現在社会と医学
講義1:「終末期医療をとりまく状況と死の自己決定」 川口 有美子氏(ノンフィクション作家、第41回(2010年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞「逝かない身体」著者) 講義2:「現代版ABCC(原爆傷害調査委員会)になりかねない東北メディカル・メガバンク機構」 山口 研一郎氏(現代医療を考える会代表) 会場:京都府保険医協会 会議室 |
10月26日(日) | スペシャル鼎談「これからの日本の医学-過去・現在・未来-を語る」
会場:池坊学園「こころホール」(京都市・四条烏丸) ゲスト:法政大学総長 田中 優子氏 |
11月23日(日) | 医の倫理ゼミ(第3回)・未来経済と医学
講義:「iPSと医の倫理」 八代 嘉美氏(京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門 特定准教授) 会場:京都府保険医協会 会議室 |
大阪プレ企画(2014年)
10月25日(土) | 「731部隊の蛮行」パネル展示
大阪医科歯科9条の会と女性医師・歯科医師の会共同企画講演会 (講師・大阪府弁護士会会長 石田 法子氏)会場にてパネル展示 会場:大阪協会M&Dホール |
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兵庫プレ企画(2014年、2015年)
2014年8月23日(土) | 「保団連2014ハルビン視察ツアー」 ― 731部隊の真実と日本の戦争責任
講師:加藤 擁一氏(兵庫県保険医協会 副理事長) 会場:兵庫県保険医協会会議室 |
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2015年2月14日(土) | 「ハルビン、ヒロシマ・ナガサキ、そして福島 ― 医師・医学者の戦争責任・戦後責任を検証する ―」 講師:郷地 秀夫氏(兵庫県保険医協会 副理事長、東神戸診療所 所長) 会場:兵庫県保険医協会 会議室 |
奈良プレ企画(2014年)
7月24日(木) 〜7月27日(日) |
戦争展での「戦争と医の倫理日本の医学者・医師の「15年戦争」への加担と責任」パネル展示 |
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和歌山プレ企画(2014年)
8月2日(土) 〜8月3日(日) |
戦争展での「戦争と医の倫理日本の医学者・医師の「15年戦争」への加担と責任」パネル展示 |
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滋賀プレ企画(2014年)
12月21日(日) | 大津駅近くの古民家改造した会場にて一般市民対象のイベント(落語会等)を企画。 その中で「戦争と医の倫理日本の医学者・医師の「15年戦争」への加担と責任」パネル展示を開催 *藤居実行委員(滋賀県保険医協会 理事)の歯科診療所でも同パネルの展示が続けられている。 |
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パネル展示企画詳しくはこちら
医学・医療の発展には、人間の尊厳や人権を基本とすることが何より大切です。
日本の医学者・医師が15年戦争中に行った「人体実験」などの非人道的な行為を史実に沿って展示しました。
(「戦争と医の倫理日本の医学者・医師の「15年戦争」への加担と責任」として冊子化されています。)
2015年3月13日(金)〜15日(日)10:00〜16:00
★立命館大学国際平和ミュージアム会場 1階 中野記念ホール
全体展示
2015年4月2日(木)〜14日(火)9:30〜16:30
★立命館大学国際平和ミュージアム会場 2階 ミニ企画展示室
ミニ企画展示
2015年4月12日(日)9:30〜16:30
★知恩院和順会館会場 1階ギャラリー
全体展示
「歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題」と題する映像・講演・対談・シンポジウムの開会にあたって
戦後70年の節目に当たる「第29回日本医学会総会2015関西」は、「731部隊」に代表される戦時中の日本の医学者・医師が行った、非人道的な行為に対する考察と反省を行うようにという「日本医学会総会2015関西」にむけての「医の倫理-過去・現在・未来-企画実行委員会」(以下、「医の倫理」実行委員会)の要請がいかされないまま開催されています。このような状況の中で、「第29回日本医学会総会 2015 関西」に並行する本会の企画として、「歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題」と題する映像・講演・対談・シンポジウムは開催されます。
日本医学会が置かれている日本医師会は、世界医師会理事会の「第二次世界大戦における残虐行為を非難する声明文を求め」に応えて「1949年3月30日に開催された日本医師会の年次代議員会において、以下の決議が満場一致で採択された。『日本の医師を代表する日本医師会は、この機会に、戦時中に敵国人に対して加えられた残虐行為を公然と非難し、また断言され、そして時として生じたことが周知とされる患者の残虐行為を糾弾するものである』」という会長の声明文を提出し(1951年5月22日.加盟各国医師会に回覧された世界医師会文書36.18/51抜粋)、世界医師会への加盟が認められました。にもかかわらず、日本医師会は、自らがかつての戦争に加担したことや、日本の医学者・医師により行われた人道に反する残虐な「人体実験」「生体解剖」等(以下、「過去」)に目を閉ざし、医学界・医療界ではタブーとされてきました。
これに対し、我国の医師団体として初めて、戦後50年の1995年8月10日に大阪府保険医協会理事会は、「戦後50年にあたり、侵略戦争の反省と反戦・平和への開業医の決意」を、12月17日には全国保険医団体連合会(以下、保団連)が「戦後50年にあたり、反戦・平和への日本の医師としての決意」を決議しました。保団連は2005年には国際シンポジウム「医師・医学者の戦争責任を考える―関東軍731部隊をめぐって」を開催しました。2006年には、15年戦争と日本の医学医療研究会(以下、戦医研)の呼びかけで、大阪府保険医協会、大阪民主医療機関連合会、現代医療を考える会(以下、考える会)などの参加する、第27回日本医学会総会―「戦争と医学」展実行委員会が設立されました。同会の要請にもかかわらず、第27回医学会総会実行委員会は「過去」に向き合う公式の企画を行ないませんでしたが、同会は期を同じくして、大阪の地において、独自に「戦争と医学」展と国際シンポジウムを開催しました。
その後、その活動は、保団連、全日本民主医療機関連合会、戦医研、考える会や有志が参加する「『戦争と医の倫理』の検証を進める会(以下、進める会)に発展しました。この会は全国の心ある医学者・医師・医療従事者と関係する諸団体などが「過去」に向き合う恒常的な活動を行うもので、わが国では初めての全国的な組織です。しかし、進める会の要請にもかかわらず、第28回医学会総会も自らの企画を行いませんでした。進める会は、「戦争と医学」を検証する展示とドイツからパネリストの参加も得て全国の医学者・医師らと共に考え討論する国際シンポジウムを独自に企画し、2011年3月11日に起きた東日本大震災と原子力発電所事故により断念することなく、2012年11月17日に開催しました。
この間、日本医学会は、「代議員会の決議がない」「加盟を認めた各学会から上がってきたテーマを調整するのが主目的であり、それ以外のテーマは原則扱わない」「企画内容が総会参加者の関心を呼び、多数の入場者が見込まれるかどうかが重要となる」などという理由で、責任を放棄してきました。各学会や全国の大学医学部、医科大学は、進める会から展示パネル冊子や質問紙調査票が送られるなど、自らの「過去」に向き合う機会が数々あったにもかかわらず、検証にすら着手しないで、現在に至っています。
第29回日本医学会総会は、石井四郎731部隊長や多くの部隊員を送り出した京都大学が四半世紀ぶりに中心になって、同学の総長、医学部長であった井村裕夫会頭の名で開催されています。同総会は、戦後70年の節目でもあることから、日本医学会が真摯に「過去」に向き合う絶好の機会でした。
このような状況下の2014年1月12日に、京都府保険医協会垣田さち子理事長を代表として「医の倫理」実行委員会は設立され、第29回日本医学会総会に向けての取り組みを始めました。その直後の2月11日に行われました京都大学基礎医学記念講堂の完成記念式典において、731部隊への同医学部の関与を示す資料が展示されたことは、戦争へ加担したという負の遺産を京都大学医学部として初めて明らかにした点で注目に値する兆しでしたが、しばらくして同展示は理由も公にされず撤去され、今日に至っています。このような逆流もある中で、開催されます、「歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題」と題する本会の企画が、ご来場の皆様の真摯な熱意ある参加によって、その解明と解決に大いに貢献できるものとなることを願ってやみません。
2015年4月12日
医の倫理-過去・現在・未来-企画実行委員会〜日本医学会総会2015関西にむけて〜 副代表
「戦争と医の倫理」の検証を進める会 代表世話人
15年戦争と日本の医学医療研究会 事務局長
西山 勝夫
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日本の医学界が、今日に至るまで戦時下医学犯罪に対する科学的検証を行ってこなかったことについて問題提起しつつ、そのことが今日における「医の倫理」を巡る日本の医療現場や医療者の対応にどのような影響を与えているかを考えたい。そして、人類未知の領域に足を踏み入れつつある医学・医療に必要な「医の倫理」について共に考えたい。
2015年3月13日(金)〜15日(日)10:00〜16:00
★立命館大学国際平和ミュージアム会場 1階 中野記念ホール
全体展示
2015年4月2日(木)〜14日(火)9:30〜16:30
★立命館大学国際平和ミュージアム会場 2階 ミニ企画展示室
ミニ企画展示
2015年4月12日(日)9:30〜16:30
★知恩院和順会館会場 1階ギャラリー
全体展示