開催趣旨

第39 回医療研究フォーラムは、愛媛県保険医協会が主務となって開催します。私たちの日常診療の工夫・経験を持ち寄り、医療実践を共有する分科会・ポスターセッションをはじめ、記念講演や地元・愛媛ならではの企画を通じて、全国の医師、歯科医師の交流の機会にしたいと願っています。メインテーマには「白衣にヒューマニズムを 時代に聴診器を~せっかくやけん 道後温泉におはいりなもし~」を掲げました。

「伝云、古此湯少し湧出して洴澼(へいへき)たり、鷺の足かたはなるが、常々来りて足を浸す、幾程となく平癒したり、故に此所を鷺谷と云」

宝永7 年に完成した郷土地誌『予陽郡郷俚諺集』(よようぐんごうりげんしゅう)には、昔脛に傷して苦しんでいた一羽の白鷺が岩間から噴出する温泉を見つけ、毎日飛んできてその中に脛を浸していたところ、傷は完全に癒えてしまい、白鷺は元気に勇ましく飛び去ったと書かれています。道後温泉の存在は古代から知られ、万葉集巻一にも記載されています。道後温泉本館は、愛媛県松山市の道後温泉の中心部にある温泉共同浴場です。意匠的に優秀なもの、歴史的に価値の高いものとして、1994年12 月27 日に重要文化財に指定されました。2019 年1 月15 日からの保存修理期間中も入浴が可能でしたが、保団連医療研究フォーラム開催に間に合わせるかのように、本年7月に全館営業再開が決定しました。夏目漱石の小説「坊ちゃん」の舞台となった道後温泉で日常の疲れを癒し、俳句に戯れ、日本最古といわれる温泉地で聴診器を通じて、日本の衰退と未来について語り合いませんか。湯煙にふと若き日の夏目の金さん、正岡のノボさんに出会えるかも・・・・。
全国からのご参加を白鷺のごとく、首を長くしてお待ちしております。