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「医療給付費25年度に56兆円」に反論--神奈川協会


 1月11日付けの日経新聞は、国民医療費から患者負担を除いた「医療給付費」が、現行のままでは2025年度に56兆円と、06年度の28兆円の2倍となることから、今後のさらなる患者負担増や診療報酬の7%削減(20年間で)などで25年度に45兆円に抑制する方針を政府が決めたと報道しました。

 しかし医療給付費が25年度に56兆円になるとの厚労省の試算は、神奈川協会の分析によれば、医療給付費の伸びを年率4%として計算されています。しかし実際の医療給付費の伸びは01年度から03年度の3年間で平均0.9%しか伸びていません。

 仮に医療給付費が年率2%で伸びると仮定しても、25年度の医療給付費は41.2兆円であり、患者負担増や診療報酬の引き下げなしでも目標の45兆円を下回ると神奈川協会では試算しています。

 厚労省は過去にも医療費の将来推計を過大に試算して、危機感をあおってきました(例えば95年に出した国民医療費推計では2004年の同費用を50兆円としていましたが、実際は32.1兆円にとどまっています)。今求められているのは、患者・国民が望む医療・社会保障費の充実であり、その予算はムダが指摘されている大型公共事業や防衛費の削減などで手当することです。